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タンパク質解析における分子間相互作用と細胞内局在解析の相補的研究

独立行政法人 産業技術総合研究所 生物情報解析研究センター
機能ゲノム解析グループ プロテオーム発現チーム
五島 直樹 チームリーダー
富樫 卓志

ポストゲノムシーケンス研究において、プロテオーム解析が精力的におこなわれているが、その解析手法はオーセンティックなタンパク質を対象とした生化学的解析が主体となっている。 しかし、このようなアプローチでは、細胞内のタンパク質の量に起因する検出感度が問題となり、プロテオームワイドな解析は困難である。我々は, 網羅的なヒト遺伝子をin vivoおよびin vitroにおいて発現できるシステムを構築し、リーバースプロテオミクス的な立場から、細胞内でのタンパク質の存在量に制約を受けない均一化プロテオーム解析を推し進めようとしている。我々のタンパク質発現システムは 2万個以上のヒトFLcDNAを基盤としおり、cDNAのハンドリングを容易にするGatewayシステムを導入することで、様々なタグを融合してタンパク質発現が可能となっている。in vitroでのタンパク質発現系では、ハイスループットタンパク質発現が可能なコムギ胚芽無細胞発現系を採用し、約2万種類のタンパク質を1週間で合成できるシステムの構築に成功している。このようにハイスループット合成したタンパク質は様々なタンパク質機能解析に用いるとともに、プロテインマイクロアレイの作製にも利用している。一方, in vivoでのタンパク質発現系としては、哺乳動物細胞でのトランジェントなハイスループットタンパク質発現系の構築を行ってきている。 蛍光タンパク質を融合させたヒト・タンパク質を細胞内で発現させ,蛍光を指標としたヒトタンパク質の細胞内局在情報の取得を行ってきている。

本講演では、1)IN Cell Analyzer 1000を利用した網羅的なヒトタンパク質の細胞内局在性の解析とそこで得られた知見、2)Biacore™ A100を利用したチロシンキナーゼとその基質の関係(分子間相互作用)の解析とそこで得られた知見、をそれぞれ紹介し、分子生物学的手法にもとづいた均一化プロテオーム解析における両実験データの相補的解析の有用性について考察する。

「注目のプロテオミクスの全貌を知る!」実験医学別冊 羊土社 p.40


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