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承認バイオ医薬品用のクロマトグラフィー担体の変更対費用効果、生産性および製品の品質を向上させるためにクロマトグラフィープロセスに変更を加えることがあります。変更例としては、インプロセス分析や許容基準の変更、クロマトグラフィーステップ数の削減ならびに同等である他の担体との交換を含む変更があります。 経験上、許容基準のわずかな変更により、製造における一貫性が改善する事例はよく見られます。これには、pHなどのプロセスパラメーターの幅を狭くしていることが含まれます。あるいは、後期臨床試験において、より多くの裏付けデータが必要であるにもかかわらず、許容基準が広く設定されていることもあるでしょう。 もし2ステッププロセスで、承認されている3ステッププロセスと比べて同等の純度および不純物プロファイルが得られることが明らかとなった場合、ステップ数の削減を検討するのは当然のことです。これにより、プロセスの費用対効果がより高くなる可能性があります。 もちろん、より高濃度の水酸化ナトリウムに耐性がある担体やより寿命が長い担体への変更など、サニタイゼーションや洗浄効果改善のために担体の変更が求められる場合もあります。 担体の変更を判断するには、規制当局による承認に関連する懸念をはらんでいます。とはいうものの、変更を加える際の規制上の手順があります。適切な計画と一連の直交解析法を活用することにより、これらの懸念を最小限に抑えることができます。 規制上の手順米国において、FDAは比較プロトコールを用いた変更システムを用意しています。ヨーロッパにおいては、EMEAはMarketing Authorization Variationsを要求します。米国の比較プロトコールシステムにおいては、製造業者はプロトコールを作成し、それを提出して承認を受け、その後実行する必要があります。結果は事前に設定した許容基準を満たしていなければいけません。このシステムを介した場合の多くは、FDAが作成したプロトコールで得られたデータを受け取ってから30日以内に、変更が可能となっています1, 2。 ヨーロッパにおいて、EMEAは、製造販売業者は技術的および科学的進歩を考慮に入れるべきであり、そして医薬品の改変/改良または承認された製品への新たな安全策の導入をしてもよいと表明しています。2006年9月に、EMEAは集中審査方式の使用者に対する改正版承認後ガイダンスを発行しました3。このガイダンスを掲載しているウェブサイトでは、変更手順と科学的助言が得られるシステムを紹介しています。また本ガイダンス第6版のPDFファイルが入手可能です。 実現可能性のアセスメント変更の実現可能性を検討する場合の最初のステップは、リスクアセスメントの実施です。このアセスメントにおいて、変更によって達成されること、プロセスに変更を加える第一の理由について検討します。最近承認を受けた製品の場合、この情報を提示できる開発報告書があるはずです。より古いプロセスであるほど、開発報告書が利用できずに、問題になる可能性があります。次のステップでは、ギャップ分析を行います。 一般に次のステップでは、計画した変更の評価です。純度および不純物プロファイルを調べるために、小スケールで製造フィード液および複合的な直交分析法を用いて評価をします。クロマトグラフィー担体を変更できるかどうかは、同等性を証明するために使用する分析ツールに依存します。in vitroバイオアッセイを含む分析法が物理化学的な同等性を示すのに適している場合、その分析法で差し支えありません。アッセイの信頼性によって軽微な変更(例えば、pHまたは総タンパク質量)が生じることがあるため、すべてのアッセイは新しい試験材料を用いて、適したアッセイ方法であることを確認する必要があることを念頭に置いてください。純度と不純物プロファイルについて、その同等性が十分に明らかに特徴付けられた製品に対しては、毒性またはヒトでの臨床試験はおそらく必要とされません。しかし、臨床試験が必要とされた場合は、承認の判断がより困難になる可能性があります。 製造における各クロマトグラフィーステップでのアウトプットには、次に進めるためのプロセス基準があり、作業者により次のプロセスに進めるか判断されます。これらのプロセス基準は変更したプロセスに適合している必要があります。そうでなければ、その後のステップでの更なる変更が必要とされる可能性があります。 クロマトグラフィー担体の変更に関する詳細なガイダンスは、PDAテクニカルレポート4 ”Manufacturing Chromatography Systems Postapproval Changes (ChromPAC): Chemistry, Manufacturing, and Controls Documentation”にあります。このレポートには、固定されているフェーズの変更は「中レベル」の変更と見なされる可能性があるが記載されています。このレベルの変更においては、出荷要件を満たす必要があります。すなわち、溶出物質、容量および回収率が評価されていること、ならびに新規担体で製造した連続する3バッチのデータがあり、既存プロセスとの比較がなされていることが必要とされます。同等性を証明し、変更が原薬(API)に悪影響を及ぼさないことを明らかにすることために、新たな特性分析データについても必要とされることがあります。さらに、変更がウイルスクリアランスに影響を及ぼしてはなりません。クロマトグラフィーのユニットオペレーションをウイルス除去のために導入していると主張している場合、ウイルスクリアランスのバリデーションを再度行う必要がある可能性があります。ベンダーのレギュラトリーサポートファイルは、文書パッケージに含まれている必要があります。元の承認申請書の内容によっては、洗浄バリデーションデータとともに、予測または同時的いずれかの担体寿命試験が必要とされます。その他、最終製品の安定性についても評価しなくてはいけません。たとえ吸着ステップの担体を変更する場合でも、加速試験および長期安定性データの両方をレギュラトリードキュメントパッケージに加える必要があります。 表1.クロマトグラフィー担体変更における課題(抜粋)
References 1. Guidance for Industry: Comparability Protocols-CMC Information Feb 2003 Draft Guidance お問合せフォーム※日本ポールの他事業部取扱い製品(例: 食品・飲料、半導体、化学/石油/ガス )はこちらより各事業部へお問い合わせください。 お問い合わせありがとうございます。 |
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