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Gail Sofer

2ステップモノクローナル抗体精製工程に関する規制の考え方

今日、2ステップによるモノクローナル抗体精製の可能性がでてきました。Downstreamでは、Cytiva バイオファーマサービスチームであるFast Trak™の1部門であるRegulatory ComplianceのダイレクターGail Soferに、モノクローナル抗体精製プロセスにおける夾雑物レベルに関する規制当局からの要求についてインタビューしました。


1. 規制当局は、2ステップによるモノクローナル抗体精製をどのように捉えていると考えていますか?

全く問題はないと思います。このようなプロセスはすでに報告されています。2ステップアプローチは一般に生産性が高く、また私たちのお客さまは出来るだけ経済的なプロセスをデザインすることに興味を持っています。

2. ステッププロセスの要件とは何でしょうか?

2ステップのみを有するプロセスでは、第2工程と最終工程の2つのクロマトグラフィーステップを1つにするために、追加の選択性を持っていることが必要です。

3. 精製された医薬品原料(API)の不純物レベルについて教えてください。また、なぜその不純物レベルは抗体によって異なるのでしょうか?

Capto™ adhereを用いた2ステップ工程で用いたターゲットの値についてもコメントをお願いします。
許容できる不純物レベルは、適応症、用量や患者のカテゴリーなど、複数の重要なファクターにより影響を受けるため、モノクローナル抗体プロジェクトごとに異なります。例えば、高用量で頻繁に投与を受ける患者に対しては、ターゲット不純物レベルをほぼ検出限界未満といった非常に低い値に設定する必要があります。

Capto™ adhereの検討で用いたターゲットの不純物レベルは、多くのモノクローナル抗体プロジェクトにおいておそらく許容範囲内ですが、これはCytivaが試験し検証したプロセスの目標値であることを強調しておかなければなりません。各モノクローナル抗体精製プロセスでは、MabSelect SuRe™とCapto™ adhereによる2ステップ精製工程により目標値を達成することを確かめるために評価しなければなりません。

4. エンドトキシンについてはどうですか?エンドトキシン除去はどの程度重要なのでしょうか?

今日、モノクローナル抗体のほとんどは、エンドトキシンレベルをGMPに従って管理された哺乳類細胞培養によって製造されています。しかしながら、大腸菌によりモノクローナル抗体フラグメントを製造している場合は、2ステップ工程でエンドトキシンレベルが許容レベルにまで低減されているかを言及するに値します。薬局方(例えば、USP、EP、JP)には、最終製品のエンドトキシンの許容レベルについて記載されています。

5. どのように不純物の優先順位をつけますか?最も重要な不純物は何でしょうか?2番目、3番目に重要なものは何でしょうか?

順位をつけるのは困難ですが、ウイルス、Protein A、HCP、DNA、凝集体が重要視すべき不純物です。

ウイルスクリアランスのターゲットレベルはプロセスごとに異なり、リスクアセスメントおよび製剤の用量計算によって決まります。除去しようとするウイルスにはよりますが、第2ステップおよび最終ステップの合計として、最低3~4 logクリアランスが一般的に全体のウイルス安全性を担保するのに必要であるといわれています。モノクローナル抗体工程では、そのアフィニティーステップで通常、ほとんどのウイルスについて3~5 LRV(log reduction value: 対数除去率)が得られます。低pHによる不活性化およびウイルスフィルトレーションでは、さらに小さなウイルスのクリアランスが可能です。

漏出プロテインAについてもまた、出来るだけ低減する必要があります。十分感度のよいアッセイで検出限界以下であることがベストです。

宿主細胞由来タンパク質(HCP)とDNAについても、精製ステップで除去すべき不純物です。WHOによれば、1用量当たり10 ngが許容範囲とされています。

6. CytivaのCapto™ adhereによるウイルスクリアランスデータはどの程度意味のあるものなのでしょうか?

私たちはこの担体がQイオン交換体で得られたのと同程度のLRVレンジでウイルスを除去するといういくつかのデータを持っています。しかしながら、お客さまそれぞれが自身のプロセスにおけるウイルスクリアランスを確認する必要があります。


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