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プロセス理解向上のためのハイスループットプロセス開発プロセス開発はかつて多くの時間と労力を要する実験であり、たびたび実施せずに済ませてしまい、その結果十分な理解をせず、至適化が不十分なために、場合によってはよりリスクの高いプロセスにつながりました。PreDictor™プレートとAssistソフトウェアを用いた新しい方法で、膨大な量のデータを生み出し、プロセス理解を改善し、そして堅牢な製造のための基盤を築くことができます。 高い生産性や堅牢なバイオ医薬品製造プロセスを得るには、ダウンストリーム精製プロセスの最適な条件を早い段階で見つけることが重要です。最近FDAが導入したイニシアティブ"Quality by Design"でも、高度なプロセス理解が必要となるため、早い段階でのプロセス開発を後押しするでしょう。早い段階のプロセス開発においてプロセス理解を得る方法のひとつは、広い範囲を特徴付けられたスペースを評価すること、より詳細な研究が行うことです。96ウェルプレートを用いたハイスループットプロセス開発(HTPD)は、そのための効率的な技術です。 HTPDは、サンプル消費量を少なく抑えながら、プロセス開発初期において開発時間を短縮し情報量を増やすことができる新しい方法です。クロマトグラフィー条件は96ウェルフィルタープレートで、迅速に、並行して評価できます。小型化したフォーマットを用いる並行スクリーニングにより、スループットを高め、サンプル消費量を抑え、そしてより堅牢な製造プロセスのデザインにつながる膨大な情報を入手することができます。 HTPDワークフローには4つのフェーズがあります。
PreDictor™プレートPreDictor™プレートはポリプロピレンおよびポリエチレン製の、ディスポーザブル96ウェルフィルタープレートです。各ウェルは全量800 µLで、特定の容量のクロマトグラフィー担体が各ウェルにあらかじめ充填されています。プレートは1種類の担体または複数の担体が充填されているタイプの両方があり、4枚入り1パックで提供されています。トリプリケートで試験をする場合、128試験分に相当します。 PreDictor™プレートは図1のようにロボットシステムによる自動ワークフローで使用することも、マルチチャネルのピペットを用いて手動で操作することもできます。
溶液は遠心または吸引で除くことができます。このプレートは、操作に依存せず、ウェル間およびプレート間の性能の一貫性があるため、高い再現性が得られます。
PreDictor™プレート用Assistソフトウェア実験の準備やPreDictor™で得られたデータの評価をサポートするツールがAssistソフトウェアです。Assistソフトウェアは実験の準備、データのマネジメント、データの評価に役立ちます。AssistソフトウェアにはPreDictor™プレートでの検討条件の選択から結果の評価にわたり、実験ワークフローをガイドしてくれる標準的な手順が含まれています。図3は、Assistソフトウェアで行うことができる典型的なワークフローです。
図4にAssistソフトウェアで評価したスクリーニング実験の例を示します。
条件スクリーニングPreDictor™プレートは例えば、結合容量、洗浄、溶出条件の確認など、クロマトグラフィーサイクルのさまざまな部分をスクリーニングするのに使えます。専用のスクリーニングプレートを使って複数の坦々を評価することもできますし、1種類の担体だけのプレートを使ってスループットを高めることもできます。 PreDictor™プレートで得られるデータとカラムの実験で得られるデータの相関性は非常に高いため、プレートがプロセス条件の初期スクリーニングに適したツールであるといえます。図5は、コンアルブミンのCapto™ Sでの精製において、最適な添加条件の検討をPreDictor™プレート(図5A)と充填カラム(図5B)で行ったものです。この結果では、プレート、カラムの両方の実験から、非従来型の挙動を明らかに確認することができました。
吸着等温線吸着等温線は、 特定の実験条件下の平衡状態における、溶液中のタンパク質濃度と固相の関係を示します。さまざまな条件でのタンパク質の添加中に、何が起こっているのか調べ、記述するのに役立ちます。吸着等温線作成用のPreDictor™プレートもあります。 より多くの情報を短時間で小型化したフォーマットと、実験準備・データ評価用のAssistソフトウェアを用いて、並行してスクリーニングを行うことにより、プロセス開発をスピードアップし、その結果承認までの時間も短縮できます。プロセスの限界を特定し、変数の相互作用についてよりよく理解することによって、信頼性の高いプロセスの定義を、短時間で手にすることができます。HTPDのこうした新しいツールは、96ウェルプレートでの実験にもかかわらず、大スケールでの状況把握や効率の向上につながります。 HiScreen™カラムで次のステップへHiScreen™カラムと新しい&color:#000;Auml;KTA avantのようなÄKTA™システムを用いることで、PreDictor™プレートから検証や結合容量、堅牢性、分離能についてのさらなるプロセス開発研究へ簡単に移行することができます。HiScreen™カラムはBioProcess™クロマトグラフィー担体を採用した便利なプレパックカラムで、モノクローナル抗体の吸着、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーにおけるメソッドの至適化やパラメータスクリーニングに適しています。 このカラムは、ベッド高は10 cm、容量4.7 mLであり、サンプルやバッファーの消費量を最小限に抑えています。より高いベッド高が必要な場合は、2本のカラムを直列に接続して20cmのベッド高にすることができます。カラムはポリプロピレン製で、生体分子に影響を与えません。 HiScreen™カラムの抗体精製の用途・特長:
これ以外にQ Sepharose™ Fast Flow, Q Sepharose™ High Performance, SP Sepharose™ Fast Flow, SP Sepharose™ High Performance, Phenyl Sepharose™ High Performance, Phenyl Sepharose™ Fast Flowもあります。
参考資料
DoEを使用した条件検討に適した条件検討用プレパックマイクロタイタープレートおよびカラムPreDictor™、RoboColumnお問合せフォーム※日本ポールの他事業部取扱い製品(例: 食品・飲料、半導体、化学/石油/ガス )はこちらより各事業部へお問い合わせください。 お問い合わせありがとうございます。 |
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