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製品名から分かるカラムや担体の情報について
~製品名についている数字やアルファベットの意味~

今回はよくいただくお問合せの中から担体やカラムの名前についている数字や記号の意味について一挙に解説いたします。

クロマトグラフィー担体の種類とその特徴

弊社のゲルろ過、イオン交換、アフィニティークロマトグラフィー用の主なベースマトリクスには下記に示す種類があります(表1)。次項よりそれぞれの担体の説明をいたします。

表1 担体の一例

担体名 材質
Sepharose™ agarose
Sephadex™ dextran
Superose™ agarose
Sephacryl™ acrylamide、dextran
Superdex™ dextran、agarose

 

Sepharose™

Sepharose™には担体のサイズや担体の濃度や架橋度によってHP、FF、2B、4B、6B、CL、XLなどの表記があります。

粒子径のサイズを示すHP、FF(XL)

カラムや担体の製品名の後ろにHPやFFという文字が入っているものがあります。これは担体の粒子径の大きさを表しています。HPとFFはそれぞれHigh PerfomanceとFast Flowの略です。それぞれの平均粒子径はHPが34μm、FFが90μmです。一般的に粒子径の大きな担体は初期精製で使用され、中間精製や最終精製では粒子径の小さな担体が用いられます。FFは4FFと6FFの2種類があります。この数字は使用している担体中のアガロース濃度を示しています。

XLの粒子径はFFと同じ90μmですが、XLはeXtreame Loadの略で、高結合容量を達成するためのエクステンダーを付けた担体です。

担体の組成を示す2B、4B、6B、CL-2B、CL-4B、CL-6B

2B、4B、6B、CL-2B、CL-4B、CL-6Bのような表記は使用している担体の組成を示しています。数字はアガロースの濃度を示し、CLはCross Linkedの略でアガロースが架橋されていることを示します。例えばCL-4Bと表記してあるSepahroseであれば、その組成は4%架橋アガロースとなります。

Sephadex™

Sephadex™には排除限界や担体のグレードによってG-10、G-15、G-25、G-50、G-75、G-100、Coarse、Medium、Fine、Superfine、DNAグレードなどの表記があります。

排除限界の違いを示すG-10、G-15、G-25、G-50、G-75、G-100

Sephadex™にはG-10からG-100までの6種類が販売されています。これらの担体は架橋度が異なり、G-10は最も密に、G-100は疎に架橋されています。Sephadex™ G-10は排除限界が最も小さく700 Da、Sephadex™ G-100は排除限界が最も大きく150,000 Daです。排除限界が異なるという事は、その担体で分離できる分子量範囲が異なる事を意味しますので、これらの担体は対象とする試料の分子の大きさの差異により使い分ける必要があります。

担体のグレードを示すCoarse、Medium、Fine、Superfine、DNAグレード

Sephadex™には上記に示したように5つのグレードがあります。Coarse、Medium、Fine、Superfineの順に粒子径が細かくなります。各グレードの使い分けを下記に示します。核酸はタンパク質と比べて非特異的な吸着が起こりやすい傾向があります。核酸の吸着が少ないロットを特に選んだものがDNAグレードです。分離特性は同じですので、タンパク質精製にもご利用いただけます。

グレード 用途
Coarse 分取もしくは大規模な実験を高流速で行いたい場合
Medium 分取もしくは大規模な実験を高流速で行う場合や迅速な脱塩およびバッファー交換
Fine 一般的な実験
Superfine 分離能を必要とする実験

Superdex™、Superose™

Superdex™とSuperose™は、粒子径13 μmのものと34 μmのもの(pg)に分けられます。

担体の粒子径を示すpg

粒子径13 μmの担体には略号はありません。一方pgはprep gradeの略です。分離能を重視する場合には粒子径13 μmの担体を、サンプルの処理量を重視する場合にはpg担体を選択します。

Sephacryl™

Sephacryl™には分画範囲の差異からS-100 HR、S-200 HR、S-300 HR、S-400 HR、S-500 HR、S-1000 SFに分けられます。

分画範囲を示すS-100 HR、S-200 HR、S-300 HR、S-400 HR、S-500 HR、S-1000 SF

Sephacryl™の場合には数字が大きくなるほど対象とする試料の分子の大きさも大きくなります。

カラムの名称の意味

それでは次にカラムのハードウェアについての数字や記号の意味を説明します。

カラムサイズを示す数字

弊社で販売されているカラムにはサイズを示す数字が表記されています。カラムサイズの表記法はカラムの直径/カラムの長さで表しています。またカラムのタイプによって数字の単位が異なっています。

HiLoad™カラム、HiPrep™カラム、HRカラムは、カラムの直径(mm)/カラムの長さ(cm)で表しています。

例)
HiLoad™カラムの例

GLカラム、PEカラムは、カラムの直径(mm)/カラムの長さ(mm)で表しています。

例)
GLカラムの例

それぞれのカラムの種類


HiLoad™カラム HiLoad™カラム
カラムハードウェアとしてはXKカラムと呼ばれ、幅広い担体の充填に使用されます。
Hiprepカラム

HiPrep™カラム
比較的低圧の担体が充填されたプレパックカラムのみのラインアップとなります。

Hiprepカラム HRカラム
3MPaまでの耐圧を持つ高性能カラムです。
GLカラム

GLカラム
カラムハードウェアとしてはTricorn™カラムと呼ばれ、コネクター部分は弊社ÄKTA™システムなどHPLCシステムで標準の1/16インチ規格になっています。

PEカラム

PEカラム
PEEK樹脂で製作され、プレパックカラムのみのラインアップとなります。

 

※参考
2003年よりHRカラムで販売していた製品が順次Tricorn™カラムへ切り替わりました(HR16を除く)。それによって表記などが変更になっておりますが、製品の性能などに変更はございません。
表記変更例
Mono Q™ HR 5/5 (HRカラム) → Mono Q™ 5/50 GL (Tricorn™カラム)


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