と同様に高い校正能をもつPhi 29酵素を用いており、高精度にゲノムDNAを複製することができます。2007年より製品機能を改良した新型製品を販売しており、目的別に2種類のキットをお選びいただけます。
【新型データ紹介】 全1件
【参考】旧型GenomiPhi™のお客さまデータ紹介ページへ
東京都赤十字血液センター
柏瀬 貢一 博士
GenomiPhi™ DNA Amplification Kit の良いところ
- 増幅効率が良かったこと(HYキット)
- 変性ステップが熱処理であること(ヒートブロックを使えば多サンプルの処理がとても楽であるため)
- 増幅DNAのFidelityにも満足している
目的
微量サンプルから抽出したゲノムのHLAタイピング
サンプル
末梢血
GenomiPhi™ を用いた実験方法
末梢血から抽出したDNA10 ngをテンプレートとして、GenomiPhi™ V2、GenomiPhi™ HY、他社WGAキットで増幅を行い増幅DNA量を測定した。プロトコールは添付マニュアルに従った。
続いて、テンプレートのゲノムDNAとWGAサンプルについてSBT(Sequence Based Typing)法によるHLAタイピングの比較を行った。
【使用機器・試薬】
結果
● WGAによるゲノム増幅率の比較
GenomiPhi™ HY KitでのWGAにより、10 ngのテンプレートDNAから100 µgのDNAが得られた。他社WGAキット(800倍)、V2 Kit(1,600倍)と比較し、HY Kitは5倍以上の増幅率(10,000倍)を示した。
図1 末梢血ゲノムDNAの増幅率の比較
● WGAとゲノムDNAのHLAタイピング
ゲノムDNAならびにGenomiPhi™ HY Kitで増幅した産物をテンプレートとして、SBT法によるHLAタイピングを行った。双方から得られた結果は一致し、WGAがHLAタイピング結果に影響を与えないことが示唆された。
図2 WGAとゲノムDNAのHLAタイピング結果(画像をクリックすると拡大表示されます)
対象配列:HLA-A座 Exon2部位
(タイピングデータ 上から)
1段目:WGA(GenomiPhi™) Forwardプライマー
2段目:WGA(GenomiPhi™) Reverceプライマー
3段目:ゲノムDNA Forwardプライマー
4段目:ゲノムDNA Reverceプライマー
結果に対するコメント
保存検体からの解析であったため、DNA増幅によって貴重なサンプルを無駄にせずに遺伝子解析が可能となるWGA技術にはとても魅力を感じていた。実際にWGAからのHLAタイピング結果をゲノムDNAの結果と比較したところ相異がなかったため、微量なサンプル、貴重なサンプルからの遺伝子解析にはWGAは有用な技術だと考えている。
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