精製サンプル数が増加し、スループットが向上
Superose™ 6 Increase お客さまの声
東京大学理学系研究科生物科学専攻 濡木研究室
特任助教 西澤 知宏 様
目的の膜タンパク質の結晶化を目指して高頻度で精製を行ってらっしゃる西澤様に、2014年に発売したゲルろ過クロマトグラフィーカラムSuperose™ 6 Increaseをお使いいただいた感想を伺いました。従来のSuperose™ 6よりも精製時間が短い点が、実験のスループット向上のお役にたっているとのことでした。
今までは精製時間がボトルネック
今まで使用していたSuperose™ 6は、目的の膜タンパク質の分離は可能でしたが、スループットの面が課題でした。1サンプル精製するのに1時間かかっていたため、前後の準備の時間等を含めると、1日に複数サンプルの精製こなすのが難しいというところがネックでした。
そこで、精製時間を短縮するため、流速を早くしても高分離能を保つことができるSuperdex™ 200 Increaseを使用してスループットの改善を試みました。しかしながら、膜タンパク質は界面活性剤ミセル中での分子量が実際よりも大きくなる傾向にあるため、目的の膜タンパク質はSuperdex™ 200 Increaseの分画範囲と適合せずに、ボイド(排除限界)体積周辺に目的タンパク質のピークが来て、凝集したタンパクと、フラクションとして分離できませんでした。
精製時間が半分に
Superose™ 6 Increaseの分画範囲はミセルを形成した目的サンプルと適合しており、十分分画できています。これまでと比べて流速を上げられるので、とにかく短時間で精製できます。1時間かかっていた精製時間が、半分の30分になりました。そのため、同じ日に3~4サンプルを精製することができており、変異体のスクリーニングのスピードを上げるのに非常にメリットがあります。
実験方法
使用システム |
ÄKTA™explorer 10S |
精製環境 |
4℃ |
サンプル |
昆虫細胞発現系 膜タンパク質 |
バッファー |
10 mM HEPES、150 mM NaCl、界面活性剤 |
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西澤様、ありがとうございました。
※お客さまの使用経験に基づく記載です。
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