Cytiva

検索のヘルプ

Location:Home実験手法別製品・技術情報二次元電気泳動

等電点電気泳動-関連情報

良好な結果を得るためのKey Point

ゲル濃度の選択

等電点電気泳動は、タンパク質の等電点で分離するためゲルマトリックスのポアサイズの排除限界に影響がない状態で実行することが必要です。そのため、分子量数万~数十万まで分画できるゲル濃度(T = 4~5 %, C = 3 %)を用います。プレキャストゲルを用いることで再現性の高い、高分離な結果を得ることができます。プレキャストゲルを使用する場合には、専用の泳動装置が必要になります。

pIマーカーの同時泳動

用いるゲルのpHレンジにあったpIマーカーを選択し、泳動ゲルの両側もしくは、中央など数カ所に泳動します。ゲルのpH勾配の状態を確認するために必要です。泳動距離とpH値をプロットして検量線にします。ゲルのpH範囲に入らないpIのタンパク質は、ゲル外へ流れてしまうのでバンドとして検出されません。また、変性条件では、マーカータンパク質のpIが変わるので使用することはできません。

目的に適した電気泳動装置の選択

等電点電気泳動は、高電圧下で泳動を行うため発熱します。良い結果を得るためには、一定温度でゲルを直接冷却ができる水平型電気泳動装置が最適です。また、高電圧で通電を行うため、パワーサプライと泳動装置を直接接続できることが重要です。

等電点電気泳動写真
図5. Multiphor II用プレキャストゲルAmpholine PAG Plate 3.5-9.5を用いて等電点電気泳動を行った結果
レーン1:Bload pI Kit, pH 3.5-9.3
レーン2:Low pI Kit, pH 2.5-6.5*1
レーン3:High pI Kit, pH 5.0-10.5*2

*1 pH 3.5-9.5範囲のゲルを使用したため泳動図には検出されていませんが、Low pI KitにはpI 2.8のバンドも含まれます。
*2 pH 3.5-9.5範囲のゲルを使用したため泳動図には検出されていませんが、High pI KitにはpI 10.25のバンドも含まれます。

Immobiline™とキャリアアンフォライトを用いた等電点電気泳動法の比較

Immobiline™を用いた等電点電気泳動の特長

  • 大量の試薬、高塩濃度でもpH勾配の変化がない
  • 高い電圧をかけても発熱は少なく、0.01 pH / cmの高い分離能が得られる
  • 長時間泳動してもpHドリフトを生じない
  • 塩基性タンパク質のpHドリフトによるロスがない
  • ゲル自体の正味の電荷は0であり、電気浸透は起こらない

キャリアアンフォライトを用いた等電点電気泳動の特長

  • キャリアアンフォライトは、分子中に弱酸性と弱塩基性の両方の解離基を持つ
  • 自己の等電点付近でもっとも高い緩衝能と電気伝導度を持つ
  • 分離するサンプルに対して影響を及ぼさない
  • 低分子なので簡単な操作で除去できる
表1. Immobiline™およびキャリアアンフォライトを用いた等電点電気泳動の比較
  Immobiline™ キャリアアンフォライト
分離能 0.01 pH / cm 0.2 pH / cm
pH勾配形成 ゲルマトリックスに固定 通電
ゲル中のpHドリフト なし あり
電気浸透*1 なし あり
泳動時間 ~7時間(~25KVh) ~3時間
ゲル作製 困難 容易
コスト ゲルのpH勾配作製に数種類必要 目的のpHレンジのキャリアアンフォライトのみ使用
プレキャストゲル 乾燥ゲル*2 ウェットゲル*3 / 乾燥ゲル*4

*1 サンプル、ゲルのpHレンジで異なります。
*2 再膨潤して使用します。
*3 開封後、即使用可能です。
*4 再膨潤時にキャリアアンフォライトが必要です。


お問合せフォーム

※日本ポールの他事業部取扱い製品(例: 食品・飲料、半導体、化学/石油/ガス )はこちらより各事業部へお問い合わせください。