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Ettan DIGE 実験例紹介

Ettan DIGEを用いたタンパク質リン酸化の解析

タンパク質はリン酸化によりマイナスチャージされるため、スポットが酸性側にシフトします。逆に脱リン酸化によりアルカリ性側にシフトします。このシフトの幅はタンパク質の種類などによりばらつきがありますが、一般にpH 0.05 ~pH 1.0というレンジでシフトすると考えられています。このような微妙なシフトもEttan DIGEで確実に検出できます。また、Ettan DIGEの定量性によりタンパク質リン酸化の動的変化を追跡することも可能です。

タンパク質リン酸化によるスポット位置のシフトの概念図
リン酸化反応亢進前のイメージを赤、リン酸化反応亢進後のイメージ を青で擬似カラー表示させ重ね合わせたときに予測されるスポットパターン。
リン酸化概念図1
リン酸化概念図2

実験例
細胞内のタンパク質リン酸化酵素の1つであるProetein Kinase C(PKC)が活性化されるとタンパク質のリン酸化反応が亢進されます。PKCアクチベーターであるPhorbol 12-myristate13- acetate(PMA、TPA)処理した細胞と、未処理細胞のタンパク質発現の差異を検出しました。

実験条件
細胞: マウス胎児由来細胞株、BALB/c 3T3 A31-I-1
培地: 10 % FBS、ペニシリン、ストレプトマイシンを含むD-MEM
PKCアクチベーター: Phorbol 12-myristate 13-acetate (PMA、TPA)
Controlサンプル: DMSOを添加し15分間インキュベーション
Treatedサンプル: 100 nM PMAを添加し15分間インキュベーション

パネル画像データ1
実験結果
Ettan DIGEで発現差異が検出されたスポットを質量分析計であるEttan MALDI ToF-ProによるPMF解析により同定した結果、ジアシルグリセロール依存性のPKCによりリン酸化されることが報告されているLamin B1, Heterogeneous nuclear ribonucleoprotein K、Coronin b1であることが確認されました。
Ettan DIGE で解析したゲルをリン酸化タンパク質を特異的に染色する蛍光試薬(Pro-QR Diamond phosphoprotein gel stain)で検出したところ、Ettan DIGE でPMA処理による増加が検出されたスポットと同一のスポットが染色されました。
パネル画像データ2

Ettan DIGEを使用することでリン酸化による僅かなスポットシフトさえも検出できることが確認できました。一般的な二次元電気泳動ではゲルの歪み、泳動の再現性等のために非常に難しいスポットの僅かなずれの検出もEttan DIGEでは再現良く行うことができます。したがって、タンパク質リン酸化のようなスポットシフトが生じるタンパク質の翻訳後修飾の検出にも威力を発揮します。

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