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ゲルやウェスタンブロットメンブレンにおけるタンパク質やDNAのイメージング、解析は、CCDイメージャーの主な用途です。最新のCCDカメラの感度と広いダイナミックレンジのおかげで、暗室での現像と同等あるいはそれ以上の定量性と利便性が実現しています。

Amersham™ ImageQuant™ 800生体分子イメージャーは、低ノイズかつ高解像度という高い画像品質を実現しています。

画像ノイズは、精密に分析可能であるシグナル強度の範囲を狭めます。また、解像度が低いと、ゲル上の密接したバンドなど、画像中の微少な差異の検出できません。ImageQuant™ 800生体分子イメージャーは、新しい自動露光設定、SNOW(signal-to-noise optimization watch)検出モード、ビニングなしでの高解像度イメージングオプションといった機能で、前述の課題を克服します。

CCDイメージャーおよびラボ用イメージング装置のもう一つの課題は、画像化したいサンプル種別と種類の多さです。そしてそれぞれに応じた光源、検出モードが必要であることです。カラーマーカーありの化学発光ウェスタンブロット、UV照射を要するDNAゲル、シャーレ内のコロニー、マルチウェルプレートアッセイといった用途別に、専用のイメージングシステムを複数所有するケースも少なくありません。

ImageQuant™ 800システムは、さまざまなサンプル種別に対応できる柔軟性を有し、幅広い用途において高品質画像の生成を可能にします。本システムは、Coomassie™染色ゲルの光学濃度測定を較正ありで実施する品質管理用途と、ECL™ウェスタンブロット実験においてできるだけ広いダイナミックレンジを必要とする研究用途のどちらでも、十分にご満足いただけます。

最高の画像品質のためのS/N比の自動最適化

多くのラボ用CCDイメージングシステムには自動露光モードがあります。ウェスタンブロットの場合、こうしたモードでは、ブロット上の色の濃いバンドの飽和状態と、色が薄いバンドの露光不足とをうまく妥協させた露光時間を見つけようとします。その結果、ダイナミックレンジが狭められ、高強度バンドの存在下では低強度バンドの定量が困難となります。これは高発現タンパク質と標的タンパク質が共存する場合によくみられます。

ImageQuant™ 800システムは、独自のSNOW検出イメージングアルゴリズムを使用して、最適な信号/ノイズ(S/N)比を自動で検出できるため、ユーザーによる入力動作や推測が最小限に抑えられています。このアプローチにより、従来のイメージングでは観察できない弱いバンドを検出するために必要な感度が得られます。

SNOW検出イメージングモードのプロセスには以下のステップがあります。

  1. 最適な露光時間を見つけ出すためのプレキャプチャー露光
  2. 対象領域とバックグラウンドの選定
  3. 複数の自動露光を連続的に平均化して最適なS/Nを検索

SNOW検出イメージングモードは、複数の画像を取得してシグナルを連続的に平均化する仕組みです。この画像平均化プロセスは、ランダムノイズを効果的に最小化し、それによってS/N比を改善します(図1)。

Fig1

図1. SNOWアルゴリズムによる画像の取得と平均化はノイズを低減し、S/N比を最大化します(A)SNOWアルゴリズムで連続的に平均化された7.5秒間露光のラインプロファイルを、最初の画像取得から73回目の取得後の平均までを順に示しました(B)ノイズが減少してシグナルが安定し(C)結果としてS/N比が向上します

SNOW検出イメージングのプロセスでユーザーによる入力動作は、最初のプレキャプチャー時にバックグラウンドおよび対象領域を選定することのみです。その後は、対象領域のS/N比が改善して最適S/Nに達するまでの様子をリアルタイムで観察するだけです。図2は、SNOW検出モードのプロセスがどのようにしてバックグラウンドノイズを低減し、S/N比を改善するかを示しています。

Fig2

図2. ImageQuant™ 800システム用制御ソフトウェアと進行中のSNOW検出モード。ウェスタンブロットメンブレンに転写されたCy5標識抗体の希釈系列の画像は、平均化のプロセス中、連続的に更新されました。この画像において、S/N比はほぼ最大値となっています。S/N比が低下し始めるとSNOW検出モードは自動的に停止し、ソフトウェアはS/N比が最大となった画像を保存します。

SNOWアルゴリズムでは、試行錯誤で最適な露光時間を見つけるという勘に頼った作業が不要です。この自動モードは、対象となるすべてのバンドが広範囲の線形ダイナミックレンジに収まる可能性を高め、繰り返し実験や、複数ブロットやDNAゲルの現像が不要となり、ウェスタンブロットやDNAゲルのワークフローの効率性および生産性を改善します。図3は、ウェスタンブロットのイメージングについて異なる露光を比較したもので、これらのアプローチが画像のバックグラウンドノイズに及ぼす影響の違いを示しています。

Fig3

図3. 化学発光モードにおけるウェスタンブロットの従来法とSNOW検出イメージングのアプローチの比較。(AおよびB)短時間の露光による従来法のイメージング。(C) ImageQuant™ 800 CCDイメージャーで93秒間のSNOW検出モードを実行した場合。短時間の露光が複数回行われ、ノイズを減らすために画像が平均化されています。(D)SNOWアルゴリズムを使用せずに93秒間の連続露光を行った場合。従来のイメージングアプローチと比較して、SNOW検出モードではより幅広い線形のダイナミックレンジと最小限のバックグラウンドノイズが得られており、広範囲のシグナル強度から飽和することなくタンパク質バンドを可視化し、定量することを可能としています。

このS/N比最適化には、SNOWアルゴリズムだけでなく、大口径F 0.74 Fujifilm™レンズを備えた高解像度の8.3メガピクセルCCDカメラを含めた堅牢な光学系とハードウェアも必要です。ImageQuant™ 800システムは、10年に及ぶ継続的なパートナーシップの集大成を象徴する製品で、当社のライフサイエンスイメージングに関する専門知識とともに、富士フイルムの光学分野における専門知識が盛り込まれています。

ウェスタンブロット解析でタンパク質をより深く理解する

デジタルCCDイメージングとX線フィルムの共通の課題は、同じブロット上で近接している複数の異なるタンパク質バンドを分離する能力の弱さです。この課題を解決するには、通常、以下の戦略が必要です。

  • 近接したバンドを、システムの分解能にとって十分な距離まで分離できるよう、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)の泳動時間を延長する
  • ウェスタンブロットを複製する
  • ストリッピング、および追加の一次抗体を用いたリプロービングを行う

総タンパク質染色では、クマシー染色ゲル上のバンドの識別が困難な場合があります。しかし、落射および透過白色照明をImageQuant™ 800 CCDイメージャーの高解像度カメラと組合わせることで、バンド間隔がわずか0.5 mmという分子量が同程度のタンパク質を分離できます(図4A)。

複数のタンパク質を標的とする場合、化学発光の直接的な代替法として、蛍光ウェスタンブロット法が挙げられます。短波長IRおよび長波長IRの光源を備えたImageQuant™ 800システムは、同一ブロット上の複数タンパク質を多重検出が可能です(図4B)。

Fig4

図4. ImageQuant™ 800 CCDイメージャーにおける近接バンドの識別、および複数タンパク質の蛍光による多重イメージング。(A)クマシー染色ゲルの高解像度比色画像では、ゲル上で0.5 mm間隔のバンドを分離できました。(B)ニトロセルロース膜転写ウェスタンブロットの3色多重オーバーレイ画像。標的であるERKタンパク質は長波長IR(赤)のLEDフィルターと組合せて検出し、一方、GAPDHは同一ブロット上で短波長IR(緑)で検出しました。

イムノブロットを超えてCCDイメージャーを応用する

CCDイメージャーはウェスタンブロット以外の用途でもイメージングが可能ですが、そうした用途を念頭に置いて設計されているとは限りません。そのようなシステムを他用途に利用しようとすると、ハードウェアおよび設定の変更が必要になってワークフローが複雑化する場合があります。また、画像品質や感度の低下も起こりえます。

これとは対照的に、ImageQuant™ 800 CCDイメージャーでは、広範囲の用途で高品質の画像を簡単に得られるよう、光源に柔軟性を持たせ、多様な対応サンプル種をビルトインしてあります。例えば、照明は以下のモードがあります。

  • 落射白色光(470 nm~656 nm)
  • 落射UV(360 nm)
  • 落射RBG(635 nm、460 nm、535 nm)
  • 落射IR-short(660 nm)
  • 落射IR-long(775 nm)
  • 透過白色光

これらの光源オプションと、カスタマイズ可能な種々のフィルターにより、1台の装置でスペクトル全体にわたり、さまざまなサンプルをイメージングすることが可能です。この柔軟性により、スペースを節約してワークフローを簡素化しながらも、幅広い有用な機能および用途を完結できます。

コロニーの計数および解析

細胞コロニーの計数は面倒で時間を要する仕事です。コロニーカウンターはベンチスペースを占める一方で、1種類の特殊な機能しか備えていません。さらに、別々のシャーレを標準的な手持ちカメラで撮影して同等の画像を生成し、解析することは、難しい課題です。

ImageQuant™ 800 CCDイメージャーソフトウェアは、照明の柔軟性を利用して、光学密度(OD)、蛍光、またはUVモードによる自動コロニー解析を実現します(図5)。非視差(NP)レンズアクセサリーを追加することで、光学的なアーチファクトをもたらすことなく、シャーレやマルチウェルプレートを対象とした化学発光イメージングを実行できます。

Fig5

図5. ImageQuant™ 800システムを用いたシャーレのコロニーイメージング法各種。(A)各コロニーの光学密度(OD)を直接測定するOD測定法。(B)フルカラー画像。(C)細胞の自己蛍光を捉える落射UF蛍光イメージング法。NPレンズアクセサリートレイを用いることで、化学発光イメージングも可能です。

宿主細胞由来タンパク質の解析

宿主細胞由来タンパク質(HCP)の濃度は生物学的製剤の純度の指標となるため、これを利用することで製造者は、自らの精製戦略を評価したり、薬局方の推奨事項に合致するようにしたりできます。HCP分析は、規制当局の承認を得るために不可欠なステップです。

HCPのELISA分析には通常、独立したマイクロプレート用分光光度計が必要です。しかし、ImageQuant™ 800システムのImageQuant™ TL解析ソフトウェアを用いると、専用のプレートリーダーを必要とせずに、HCP ELISA分析を実行できます(図6)。

Fig6

図6. HCPQuant ELISAキットおよびImageQuant™ 800 CCDイメージャーを用いたHCP ELISAの迅速評価。(A)白色光画像では、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞由来のHCPタンパク質の検出に伴う黄色の色調変化が示されている。(B)適切な標準サンプルが得られた場合のアレイ解析画像。(C)定量用ソフトウェアで作成された検量線。

化学発光および蛍光によるウェスタンブロットイメージングモードの延長として、ImageQuant™ 800 CCDイメージャーでは、HCPカバレッジアッセイの直接的なイメージングが可能です。このようなアッセイは、従来のウェスタンブロット法、ディファレンスブロット電気泳動法(DIBE™)、ディファレンスゲル電気泳動法(DIGE)のいずれかのアプローチで実施可能です。

DNAゲルの可視化、および巨視的なイメージング用途

DNAゲルをイメージングする従来の手法では、コンピューター、カメラ、プリンターを備えた専用のUVプラットフォームを使用します。ImageQuant™ 800のUV照明モードならば、個別の装置を必要とせずに、ラボ内外から簡単にアクセス可能な画像ファイルをImageQuant™ CONNECTソフトウェアで生成することができます。

ImageQuant™ 800システムの汎用性は、ラボのゲルやブロット、プレートだけに適用されるものではありません。例えば、UV照明機能は、蛍光励起下で観察される花の葉脈状のパターンなど、巨視的なレベルでの構造研究にも用いられています(図7)1

Fig7

図7.ランの一種であるDendrobium nobileをImageQuant™ 800システムにて、LEDとフィルターの異なる組み合わせにて撮影した。イメージャーは、異なる励起波長下で花の各部位がどのように蛍光を発するかを明らかにし、葉脈状のパターンを示した。

CCDイメージャーを最大限に活用する

複数のイメージング装置を1台のCCDイメージングシステムに組み合わせると、特にユーザーが複数いるラボでは、装置が利用できるかどうかという問題が生じる可能性があります。装置が利用できない場合や需要が高まっている場合には、研究者を制限したり、装置の利用可能性に関連するボトルネックを引き起こしたりするリスクがあります。

ImageQuant™ 800 CCDイメージャー、および関連するImageQuant™ CONNECTソフトウェアは、こうした課題を念頭に置いて設計されています。ローカルネットワークに接続されたシステムソフトウェアは、ローカルとリモートの両方でのスケジューリングが可能であり、また、以前の測定で得られた画像にもアクセスできます。このアクセシビリティーにより、USBドライブで画像を物理的に転送する必要がなくなります。

CCDイメージャーはラボの研究ニーズを元にして成長できる

CCDイメージャーは、あらゆるラボや研究施設にとって価値のある投資です。ラボの絶えず変化する研究ニーズを満たすことと、機器の余剰を回避することとの最適なバランスを取ることは、難しいことかもしれません。

ImageQuant™ 800生体分子イメージャーは多くの機能を提供しますが、すべてのオプションを必要としないラボであっても、このシステムの高解像度、高品質、高信頼性を誇る画像からベネフィットを得ることができます。システムは4つ(ImageQuant™ 800、ImageQuant™ 800 UV、ImageQuant™ 800 OD、そしてImageQuant™ 800 Fluor)で構成されています。各構成の用途と光源を表1に示します。各オプションでは、研究グループの独自のニーズや経時的に変化するニーズに合わせて拡張・対応できるよう、簡単にできるアップグレード方法を提供します。

表1. ImageQuant™ 800システムの構成とアプリケーション

用途 光源 ImageQuant™
800
ImageQuant™
800 UV
ImageQuant™
800 OD
ImageQuant™
800 Fluor
カラーマーカーをオーバーレイした化学発光 n/a
ゲルの記録 落射白色光
染色済みのゲル 落射UV  
光学密度(OD)測定 透過白色光    
ブロットのRGB蛍光イメージング 落射RGB      
ブロットの短波長IRおよび長波長IR蛍光イメージング 落射IR short,
落射IR long
     

独自のSNOW検出イメージングモードを含む、堅牢なハードウェアと革新的なソフトウェアの組合わせにより、ImageQuant™ 800 CCDイメージャーは、複数の用途にわたって柔軟かつ汎用性の高いイメージングを可能にします。SNOWイメージングアルゴリズムの詳細について、あるいはイメージングワークフローの他の側面に関するサポートについては、弊社までお問い合わせください。

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