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バイオダイレクトメール vol.48 細胞夜話
<第11回番外編:LBの塩濃度は0.5 %か1.0 %か>

このページは、第11回の番外編です。大好評の第11回はこちら→

世の中には、LBの組成について、塩濃度を0.5 %としている実験書と、1.0 %としている実験書が存在するようです。では、開発当時のLBの組成はどのようなものだったのでしょうか。

1951年のLBの初出論文(Bertani, G. 1951. Studies on lysogenesis. I. The mode of phage liberation by lysogenic Escherichia coli. J. Bacteriol. 62:293-300.)には、LB mediumの組成が以下のように記載されています。

LB medium : bacto tryptone 1 per cent, yeast extract 0.5 per cent, NaCl 1 per cent, glucose 0.1 per cent in H2O; pH adjusted to 7.0 with 1N NaOH

したがって、開発当初のLBの塩濃度は1.0 %であったようです。

塩濃度0.5%のLBは、Bertaniと同じくイリノイ大学のDepartment of Bacteriologyに所属していたLennoxが考案したもので、1955年の以下の論文に初めて記載されています。

Lennox, E. S. 1955. Transduction of linked genetic characters of the host by bacteriophage P1. Virology. 1:190-206.

どのような経緯で塩濃度の低いLBを使用するに至ったかはわかりませんが、塩を節約しなければならないほど経済的に切迫していたとは思えませんので、ZeocinのようなpHや塩濃度に活性が影響を受けてしまう抗生物質を使う都合など、何か実験上の理由があったのではないかと考えられます。

したがって、塩濃度を0.5 %としている実験書はLennoxのLBを掲載しているものと思われます。

現在市販されている実験書のうち塩濃度1.0 %のLBを掲載しているものの多くは、1972年のMillerの著書(Miller, J. H. 1972. Experiments in molecular genetics. Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York.)に掲載された塩濃度1.0 %のLBの製法に基づいているようです。1970年代後半から1980年代前半の論文では、参考文献としてMillerの著書を挙げているものを多く見ることができます。

後に、同じくCold Spring Harbor Laboratoryから出版された大変有名な実験書A Laboratory Manual - Molecular CloningもMillerのLBを掲載したため、それ以降、MillerのLBは定番試薬となりますが、tryptone 1 %, yeast extract 0.5 %, NaCl 1 %という組成はBertaniのLBと同じで、名前を変えて原点回帰したとも言えるでしょう。


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