2019-06-28 13:55:00
日頃ÄKTA™をかわいがって頂いている皆さま。また、これからかわいがっていただく皆さまに、今回はÄKTA™の機能ネタをお届けします。
※カラムバルブを搭載しているÄKTA™のお話になります。
普段あまり気にされていないかも知れませんが、カラムバルブの流路選択時にアップフローとダウンフローが選択出来ます(ÄKTA pure™, ÄKTA™ avantの場合)。
システムコントロール画面
メソッドエディター画面
普通はダウンフロー。カラムの上部から下部へ液が流れます。
アップフローはどういう時に使うのでしょうか?アルカリを使ったカラムの逆洗浄?
大正解です!
それ以外にも、溶出をアップフローで行う事により、濃い分離物を得る事ができます。
吸着系クロマトの場合、結合力の強い物質ほど、カラム上部に結合します。
タグ付きリコンビナント精製の場合は特に顕著ですね。タグ付きタンパク質の方がその他狭雑物よりもカラムへの結合力が高いため、カラム上部を占領します。
ダウンフローでの溶出を行った場合、カラム上部に結合したタンパク質はカラムの中を上から下へ移動して溶出されます。
カラムの中の移動でちょっと薄まっちゃいますよね。
アップフローで溶出すると、カラムの中を移動せずに、濃い一番絞りが回収出来るという訳です!
※ラボスケール精製では気にする必要は有りません。スケールアップを目指す一部の系では有効です。
一見良い方法に見えるアップフローですが、注意点もあります。
カラムのトップフィルターが充填されたゲル粒子径よりも大きいポアサイズの場合、アップフローで送液してしまうとカラムからどんどんゲルが流出してしまいます。
これはもう、えらいこっちゃ!!の状態になってしまいますので十分に注意をして下さい。
弊社カラムではRESOURCE™カラムやHisTrap™ crudeがトップフィルターの目が粗く、アップフローを想定していないカラムに該当します。