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Immobiline™ DryStripとIPG Buffer

二次元電気泳動の分離能が向上
~Immobiline™ DryStripとIPG Bufferの品質改良~

※本コンテンツは2009年5月に公開した内容です。

一次元目等電点電気泳動用プレキャストゲルImmobiline™ DryStripと、IPG Buffer pH 3-10、3-10 NLについて製造プロセスを見直し、品質改良を施しました。これにより、以前よりも明瞭な二次元電気泳動パターンが得られるようになりました。


Immobiline™ DryStrip
pHグラジエント安定性が高まったことで、スポット分離能が向上

Immobiline™ DryStripゲル上に形成しているpHグラジエントの安定性と再現性を高め、タンパク質スポットを従来以上に明確に確認できるようになりました。

図1に従来製品(A)と改良製品(B)におけるパターン比較を示します。この泳動条件では、従来製品を用いた一元目等電点電気泳動のバンドパターンにおいて若干ゆがみが確認され(図1、Aの上部)、最終的には二次元目のSDS-PAGE展開後のスポットが横方向に延びた形で検出されています。

これに対し改良製品ではpHグラジエントの安定性が向上したため、一元目等電点電気泳動のバンドは直線的に検出されています。その結果、SDS-PAGE展開後のスポットもフォーカスされた形で検出されており、スポット間の分離能やスポットごとの検出感度が改善されています。

図1

図1 新Immobiline™ DryStripによる分離パターンの改善

ゲル:Immobiline™ DryStrip pH 4-7
A(左):従来製品、B(右):改良製品
上:一次元目等電点電気泳動後のバンド分離パターン
下:二次元目電気泳動後のスポット分離パターン

IPG Buffer pH 3-10 / IPG Buffer pH 3-10 NL
高分子(Mr>100,000)領域および、塩基性領域のスポットをより明瞭に検出

電気伝導性の均一性を改良することで、タンパク質の可溶化を高めることに成功しました。これにより、特に高分子領域および塩基性領域におけるタンパク質スポットにおける分離能と検出感度が改善されました。

※本改良はpH 3-10およびpH 3-10 NLに関するものであり、他pH領域の IPG Buffer製品については従来どおりとなります。

【注意点】
IPG Bufferにおける検出感度の上昇にともない、CBB染色または銀染色時に従来よりも塩基性領域のバックグラウンドが上昇する場合があります。染色時の固定化操作を3時間~Over Nightで行うことで、バックグラウンドの上昇を回避しやすくなります。詳細についてはバイオダイレクトラインまでお問合せください。

図2

図2 新IPG Bufferによる分離パターンの改善

左:従来製品、右:改良製品

【実験条件】


分離パターンの改善にお役立てください

2D-DIGEのような二次元電気泳動によるタンパク質発現比較の際には、再現性のある分離パターンの取得や正確なマッチング(ゲル間でのスポットの照合)が非常に重要です。今回の改良により、スポット検出や分離パターンの再現性が高まり、解析精度の向上や解析時間の短縮につながります。

また、関連試薬の他にも、二次元電気泳動解析ソフトウェア(ImageMaster 2D Platinum)のバージョンアップも行っておりますので、ぜひこれらもご活用ください。

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