Whatman™ ウーヴンペーパー(網目紙)の開発
Whatman™社の創業者は、実験用ろ過製品で有名になる前に、最高級の筆記用紙を発明しました。
1733年、革新者たるジェームズ・ワットマン(James Whatman)は織物の技術を紙漉きに応用しました。彼の新しい「ウーヴン(織物の)」ペーパーは丈夫かつ滑らかで、美術や高品質の印刷に最適でした。この紙を、トマス・ゲインズバラ(Thomas Gainsborough)は水彩画に、ジョン・バスカヴィル(John Baskerville)は印刷に、そして後にはヴィクトリア女王が手紙に使用しました。
代用血漿の発見
緊急輸血用の代用血漿の発見は、生命を救うとともに、創傷・外傷に対する新しい管理法を生み出しました。
1941年、研究者ビョルン・インゲルマン(Björn Ingelman)は、甜菜の搾汁が粘稠になったのはなぜかと考えていました。彼はその原因を、細菌がショ糖から生成する多糖類の一種であるデキストランであると突きとめました。この粘り気のある物質は、輸血用の血漿の代替品になるのではないか?この彼の好奇心が、Pharmacia社のMacrodex™デキストラン溶液へとつながりました。
ペーパークロマトグラフィーの先駆け
科学者らがWhatman™のろ紙を用いて混合物に含まれる種々の物質を検出し、臨床用研究開発のための技術としてペーパークロマトグラフィーを提唱しました。
1944年、研究者のコンスデン(Consden)、ゴードン(Gordon)、マーチン(Martin)はWhatman™ブランドのろ紙ストリップを用いて、初期のペーパークロマトグラフィー実験を行いました。この研究はタンパク質中のアミノ酸の数を決定することを目的としたもので、この研究によって補完された並行研究により、後にマーチンとシング(Synge)はノーベル賞を受賞しました。
ゲルろ過の発明
ゲルろ過はサイズ排除クロマトグラフィーとしても知られており、この開発によって生体分子を大きさで分離することが可能になりました。
スウェーデンのウプサラ大学で、科学者イェルケル・ポラート(Jerker Porath)とペル・フローディン(Per Flodin)は、架橋デキストランゲルを充填したカラムでタンパク質が分離できることを、実験の「失敗」の結果として見いだしました。フローディンとポラートはこの知見を発表し、Pharmacia社に持ち込みました。同社は1959年に、初のゲルろ過用レジンであるSephadex™デキストランゲルを発売しました。
細胞用血清の改良
高品質血清の初めての開発につながったイノベーションが、現代の細胞培養プロセスを可能にしました。
レックス・スペンドラブ(Rex Spendlove)博士は、発展途上国の子どもたちに影響を及ぼす致死性ウイルス疾患の研究に必要な高品質の血清を入手できなかったため、自ら血清を開発しました。博士の努力はHyClone™血清として実を結び、細胞培養をベースとした製造に用いられる回収、ろ過、処理の技術への道を拓きました。
インスリンを必要とするすべての人に届ける
インスリンの精製にクロマトグラフィーカラムを利用することで、この極めて重要なホルモンの大量生産が可能になり、糖尿病患者に広く治療を提供できるようになりました。
1968年、Pharmacia社は大型クロマトグラフィーカラム(従来は乳業で牛乳のろ過に用いられていたもの)を使用して、ウシおよびブタの膵臓からインスリンを精製しました。ついに、命を救うこの治療薬を大量に処理することが可能になり、あらゆる場所で糖尿病治療に用いられるようになりました。
SPR技術の活用
SPR技術の開発により、相互作用している分子をリアルタイムで、しかも非侵襲的かつ無標識で観察できるようになり、より優れた新薬の開発につながりました。
表面プラズモン共鳴(SPR)技術が、生体系におけるリアルタイムな生体分子相互作用解析に初めて用いられたのは1983年のことでした。SPR技術は、最終的にはBiacore™システムの発明につながりました。今日もなお、Biacore™装置はリアルタイム、無標識、非侵襲的な分析を実現する先進的な光学バイオセンシングを提供し続けています。
精製技術のアップグレード
タンパク質精製技術のイノベーションによって、高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)プロセスへの待望のアップグレードが実現しました。
1996年、すべての液体クロマトグラフィー技術を単一のフレキシブルなプラットフォームで実行する方法が開発されました。ÄKTA™装置の開発につながるこの新技術は、その汎用性、モジュール性、信頼性が高く評価されました。現在Cytivaは、生命科学分野に分取スケールのタンパク質精製ソリューションを提供する世界的リーダーとして認められています。
FTAカードの先駆的開発
FTA技術の開発によって、冷凍庫がなくてもDNAを採取・輸送・保存・精製できるようになりました。
1999年、巧妙に混合された化学物質をろ紙にしみ込ませることで、遺伝物質のサンプルを保存できる新しい紙が発明されました。この紙は細胞を溶解し、細菌の増殖を防ぎ、DNAを保護することができる仕組みを備えています。こうして、室温でDNAを安全かつ容易に採取・輸送・保存・精製できるようになったのです。
抗体ブームの到来
抗体を用いた治療法が急速に成功を収めたため、抗体に関するプロセス開発や生産の需要が高まりました。効率的で頑強なProtein Aクロマトグラフィーが依然としてモノクローナル抗体精製の標準的手順ではありましたが、新しい機能性レジンも必要でした。
2001年、こうした需要の高まりに応えるべく、Cytivaは最初のMabSelect™レジンを発売しました。高流速のアガロースマトリックスをベースとしたこの新しいレジンは、一作業日あたり10,000 L以上のフィードを処理できました。最初のMabSelect™製品が発売された後、当社では新たなバージョンのMabSelect™を開発し続けています。いずれの製品にも、抗体の研究・生産を促進するための更なる改良が加わっています。
シングルユースバイオリアクターの開発
新しいバイオ製造技術は、これまでのステンレス製システムに伴う柔軟性のない「定置洗浄・定置滅菌」プロトコールを飛躍的に発展させました。
2002年、パリッシュ・ギャリハー(Parrish Galliher)は職を失った後に、バイオ製造の新しいパラダイムを構想し、それを実現しました。その結果であるXcellerex™装置は、熱水使用量が少なくフレキシブルで効率のよいディスポーザブル型のプラットフォームであり、ステンレス製のバイオ製造プロトコールに革命をもたらしました。
ヒトゲノムのマッピング
DNAシーケンス技術の進歩は、世紀の変わり目における科学界の主要なテーマであり、現在でも研究および臨床治療における重要分野です。
Amersham Biosciences社は、革新的なハイスループットシーケンス技術の開発によって、この分野の需要に応えました。MegaBACE™プラットフォームは、ヒトゲノムプロジェクトで実行されたマッピングの約30%で利用されました。このプロジェクトは最終的に、ヒトゲノムの全配列決定を初めて成し遂げました。今日の医学におけるブレークスルーにつながる歴史的偉業です。
CAR-Tによるがん治療
化学的に合成された医薬品から、生物学的製剤および細胞療法への転換は、がんや自己免疫疾患、糖尿病などと闘っている患者さんに希望を与えています。
2012年、エミリー・ホワイトヘッド(Emily Whitehead)はCAR-T細胞療法でがんを克服した最初の子どもとなりました。当社の研究者らはバイオリアクターで組換え細胞を培養し、それぞれの細胞種別に最適条件を決定しました。また、レーザーを備えたフローサイトメーターを用いて細胞の特性を調べたり、ロボットによる生産の自動化実験を行ったりしました。
新たな発見の促進
当社はイノベーションとコラボレーションを通じて、生物学的製剤の未来をより良いものとしていきます。
2018年、Cytivaとスウェーデン政府は共同でTesta Center™を設立しました。これは学術界、バイオプロセス産業、スタートアップ企業を支援する新しい方法を見つけることを任務とする、世界的なテストベッドです。このイノベーションハブにおいて研究者は、最新の技術や設備、リソースを利用して、新しいアイデアや技術を育むことができます。これは世界的なコラボレーションと発見に向けた、非常に強力な踏み台です。
Fibroテクノロジーの発表
治療用タンパク質は、医学研究および臨床治療において注目を集め続けている領域です。こうした重要な治療薬を必要としている患者さんに届けるには、効果的で効率のよい精製プロセスが不可欠です。
2020年、Cytivaは初めてのFibroクロマトグラフィー製品を発表しました。これは電界紡糸(エレクトロススパン)セルロース繊維をベースとしており、高流量と高結合容量の両立を実現したものです。Fibroテクノロジーは、プロセス開発から製造のスケール変更に至るまで、フレキシブルで生産性の高い精製ソリューションを提供します。
COVID-19を打ち破るためのレース
当社はライフサイエンス関連コミュニティ全体とともに、COVID-19の予防と制御のために幅広い取り組みを支援してきました。
COVID-19のパンデミックを受けて、研究者たちはかつてないほどのスピードで予防接種や治療法を開発しています。Cytivaの科学者は、380件のワクチン開発プログラムおよび200件のモノクローナル抗体イニシアチブを含む、世界的な取り組みの70%に関与しています。
Cytivaの科学者・研究者たちは、ヒトの健康に変革をもたらすための探究および発見という豊かな企業文化を育み続けています。