2021.10.29
GE ヘルスケアライフサイエンスを前身とした、バイオ医薬品製造のテクノロジーとサービスのグローバルプロバイダーであるCytiva(法人名:グローバルライフサイエンステクノロジーズジャパン株式会社、代表取締役:ペレ・ステファン・ドミニク・ポル、本部:東京都新宿区)は、このたび、フィナンシャル・タイムズの調査部門 Longitude とともに、日本を含めた世界20カ国のバイオ医薬品業界のレジリエンスを評価する調査の日本語版「バイオ医薬品業界 2021:レジリエンスを再考する」を発表しました。
Cytivaは、コロナ禍も含む、バイオ医薬品業界の危機や変化への適応力であるレジリエンスを評価するため、日本を含む世界20カ国で、製薬およびバイオ医薬品業界の経営幹部と医療政策担当者1,165人に対して、「サプライチェーンのレジリエンス」、「人材の確保」、「研究開発エコシステム」、「製造のアジリティ(敏捷性)」、そして「政府の政策と規制」の5つの観点から、聞き取り調査を行いました。調査の結果に基づき、「グローバルバイオファーマのレジリエンス指数」を作成し、各国のバイオ医薬品業界のレジリエンスを分析しました。結果、世界のバイオ医薬品業界の総合的な指数スコアは10点満点中6.6点と、比較的脆弱な状態であることが明らかになりました。また、対象国20カ国のうち、トップ3は米国(7.12点)、スイス(7.08点)、英国(7.01点)で、日本は8位(6.75点)にランクインしています。
日本に関する重要な調査結果:
- 日本はアジア太平洋地域では韓国(世界7位)に次いで2位で、中国とは同じ指数スコアです
- バイオ医薬品業界レジリエンス指数の5つの分野別の結果では、日本は「製造のアジリティ」において世界トップ5(5位)にランクインしています
- 5つの分野別の指数スコアでは、日本は、他の多くの国と同様に、「人材の確保」に関するスコアが一番低く出ています。日本の人材に関するコストが調査対象国の中では最低の10点満点中4.26点となっており、採用の難しさも含めた人材確保のためのコストが一番の課題と言えます
世界的なライフサイエンスリーダーであるCytiva(サイティバ)は、中国におけるバイオプロセス用シングルユース製品の製造能力を継続的に拡大しています。中国最大級のヘルスケア関連企業の一つであるWego Pharmaceutical社と共同して2018年に開設した製造施設の拡張に取り組んでいます。新たに追加されるこれらの製造ラインにより、アジア太平洋地域におけるシングルユース製品の供給能力は3倍になります。
その他の分野別の調査結果は以下よりご確認いただけます:
Cytiva日本法人のゼネラル・マネージャー、ペレ・ステファン氏は、調査結果から見える日本の課題について、次のようにコメントしています。
「日本は、人材の質が高いが、持続的な成長を実現するのに最低限必要な規模(クリティカル・マス)が達成できておらず、イノベーションの促進やリスクを取って変化を起こすためのリソースが足りない現状が続いています。バイオ医薬品産業化に精通した人材の育成に課題があり、そのためには教育の段階でも産業を実体験できる、産学連携による環境作りが重要だと考えています。
また、今回日本は「製造のアジリティ」において高い指数スコアを示していますが、その内訳は、「技術力」の評価が高く、「製造力」の評価が低い、と結果が分かれています。今後日本がパンデミックの発生に対しても迅速に医薬品などの研究・製造体制を築くために、Cytivaは、アカデミアやバイオベンチャーの研究成果を、ヒトに投与する試験段階へと素早く持っていくことに有効な『BioPark(バイオ・パーク)コンセプト』を提案しています。Cytivaは、調査の結果も参考にして、引き続き日本のバイオ医薬品業界のみなさんとともに、日本に適した対策を模索していきたいと考えています。」
Cytivaについて
Cytivaは、世界40カ国に8,000人以上の社員を擁し、治療法の進歩と促進に貢献するライフサイエンスのグローバルリーダーです。ダナハー(NYSE: DHR)の科学技術イノベーションファミリーの一員であるCytivaは、多様なスケールや視点を持つお客様から信頼されているパートナーです。Cytivaは、研究および製造ワークフローにスピード、効率、キャパシティを付与し、変革をもたらす医薬品の開発、製造、患者への提供を可能にします。詳細については、www.cytiva.com よりご覧ください。
本件に関するお問い合わせ先
- APCO Worldwide内Cytiva広報窓口
- メール:cytivajapan@apcoworldwide.com