Q 固定化されたサンプルは何回くらい繰り返し測定できるのか教えてください。
A そのサンプルに依りますので、ポジティブコントロールサンプルのレスポンスで判断します。
このご質問は、一言で申し上げてしまうと、「過去に添加したサンプルを過去と同じ条件で再度添加したときに同じレスポンスになれば良い」という回答になります。これに関連したご質問でよくありがちなものは「サンプルを固定化した後のチップの保存方法はドライとウェットのどちらが良いのですか?」です。これに関してもどちらが良いかどうかの回答はなく、あくまで同じレスポンス高が得られるかどうかでご判断いただくのが良いでしょう。
Figure1でご案内しますと、Cycle1を過去のデータ、Cycle2を今回のデータと捉えてください。ベースラインの高さ自体がいくらか変動している可能性はありますが(ランニング緩衝液の調製などでぶれる)、それは無視してレスポンス高が過去のデータと同等であれば繰り返し測定できると考えることができます。
補足:センサーチップの保存方法(ドライとウェット)
ドライ
Undockしたセンサーチップをそのままパラフィルムでぐるぐると巻き、埃などが中のシートに付かないようにして冷蔵庫に保管する方法です。あるいは50mLファルコンチューブなどに乾燥剤を敷いておいて、そこにセンサーチップを入れて蓋を閉めて冷蔵庫で保管しても良いです。
再利用の場合は、常温に戻した後で中のシートを取り出して埃が付着していないことを確認し、Dockします。
ウェット
Undockしたセンサーチップのシートを取り出して緩衝液で満たしたチューブなどに浸け、冷蔵庫で保管する方法です。再利用の際はシートの白い部分およびガラス層は全てキムワイプなどで拭き取り、金膜層は四隅から液を吸い取ります(Figure2)。因みにガラス層側は凸面、金膜層側は凹面です(Figure3)。
複数回ウェット条件で保存する場合、チューブ中の緩衝液も毎回フレッシュなものに変えることをお勧めいたします(過去にトラブルになった経験があります)。