上市スピードと生産性向上のために
あなたの課題解決策、
Cytivaとともに考えましょう!

ヨーロッパ、たとえば英国では、NHS(National Health Service)という公的医療保険制度がありますが、受けられる医療の地域間格差が課題でした。これを解決するために1999年にNICE(National Institute for Health and Care Excellence)が設立され、医療技術に関するガイドラインの作成や新薬の経済評価を行っています。NICEの評価で特徴的なのは、医薬品の薬効だけでなく、質調整生存年(QALY;Quality Adjusted Life of Years)という指標を取り入れた費用対効果の概念です。つまり、単なる生存期間の延長だけでなく、Quality of Life(QOL)を考慮した余命を1年延ばすのに必要な費用が一定の基準額よりも高ければ、費用対効果に優れないと判断されNICEの推奨を得ることができません。NICEは医薬品の価格を設定しませんが、NICEが推奨しないとNHSの償還対象とならない可能性が高く、事実上、使用できなくなります。製薬企業は、新薬の価格を自由に設定できるものの、NICEの推奨を得られるよう費用対効果を意識し、価格を低く抑える傾向にあります。

日本だけでなく世界の医薬品業界が不安定な現在、海外を拠点とする製薬企業は、これら現状の打開策として、
1)上市スピードを加速して市場シェアを早期に獲得すること
2)製品のライフサイクルを通じて生産性を向上させ利益を獲得すること
3)革新的な医薬品の導入と開発を手掛けること
などに注力しています。

たとえば、医薬品製造工程において、製造量に応じて機器も大きくするスケールアップ方式ではなく、小さいサイズの製造ラインを複数導入するスケールアウト方式を採用し、製造量だけでなく多品種にも対応できるような設備を整え、市場シェアをいち早く獲得することを目指している企業もすでに多数あります。
また、昨今キーワードとなっているバイオ医薬品の連続生産については、N-1のPerfusion培養や連続クロマトグラフィーによる精製技術をサプライヤーとともに開発し、End-to-endもしくは一部の連続化を実際の製造工程に取り入れることで、総合的な生産性向上につなげられた事例が数多く見られます。
Amgen社は、品質に影響を与える原材料の変動性を検出し、プロセスの改善につなげようと、ユタ州にあるCytivaの工場とデジタルデータを交換するコラボレーションプログラムを導入し、新しい技術をもって品質特性を担保することで総合的な生産性向上を目指しています。このように、海外を拠点とする製薬企業は新しい技術を普遍的なものにするため、業界団体を設立し、サプライヤーや競合他社、規制当局ともコミュニケーションをとり、業界全体を底上げしようと努力しています。

1 2 3
↑