Biacore™でのネガティブコントロールについて

Biacore™は2分子間(リガンドとアナライト)の相互作用についてのデータを取得します。検出されたレスポンスが目的の相互作用で特異的結合によるものであるという確実性を高めるため、ネガティブコントロールが必要になる場合があります。ネガティブコントロールの必要性について、アナライト、リガンド、それぞれについて考えてみましょう。

  • 本記事ではアナライト0濃度添加(ブランク)とは別にネガティブコントロールとしてのアナライトについて述べています

アナライトについて

ネガティブコントロールサンプルをアナライトとして添加して測定を行い、ネガティブコントロールのデータを取得することができます。ただし、アナライトについて必ずしもネガティブコントロールサンプルを測定しなければならないというわけではありません。

実験の目的やサンプルの物性やカイネティックスプロファイルにより、ネガティブコントロールを置くかどうか選択する必要があります。例えばKDkakd値測定を目的とした場合、アナライト側にネガティブコントロールを置かないこともあります。なぜならBiacore™測定の場合、Rmax等の解析データからリガンドと目的とするアナライトとの相互作用が特異的結合であるかを判別できるケースが多いためです。

バインディングレベル スクリーニングの場合はネガティブコントロールを設定する場合もあります。いずれの場合もネガティブコントロールを置く場合は、ご研究の相互作用測定上適切な分子を使用してください。尚、ネガティブコントロール用のサンプルとして、汎用的ななんらかの タンパク質が推奨・頻用されていることはありません。

リガンドについて

次にリガンドについて考えてみましょう。通常、ネガティブコントロールとして、アクティブセルに存在しない他の分子をリファレンスとして固定化することはあまり行いません(リファレンス側に非特異的結合が出た場合に解析が困難になります)。一般的にはリファレンスセルとして以下の3つが採用されるケースが多いです。

  • 未処理のセンサーチップ表面
  • Blank immobilization(共有結合法の場合。NHS/EDC活性化後にエタノールアミンブロックを行う)
  • キャプチャー分子のみを固定化(キャプチャー法の場合)
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