質問
分子量30 kDaのタンパク質と分子量300の化合物の相互作用をBiacore™で測定したいと思います。
どちらの分子をセンサーチップに固定化しますか?
考え方のポイント
分子量の大きい方、小さい方どちらの分子をセンサーチップに固定化した方がいいでしょうか?
答え
分子量30 kDaのタンパク質をセンサーチップに固定化します。
解説
低分子をセンサーチップに固定化することを避け、分子量が大きい方の分子を固定化することが一般的です。その理由は、低分子の場合、固定化により目的の分子との結合活性に影響を及ぼすリスクが高いためです。
そのリスクを避けるため、分子量が大きい方の分子(今回のケースでは分子量30 kDaのタンパク質)をセンサーチップに固定化してリガンドとします。分子量300の化合物をアナライトとして添加して相互作用を測定します。
アナライトがリガンドに結合した時に生じる結合レスポンスは、アナライトの分子量が小さいほど小さくなります。そのため低分子をアナライトにすることで、結合レスポンスを検出できるのか懸念を持たれるかもしれません。しかし現在のBiacore™の感度では、検出可能なアナライトの有機分子の分子量に下限はありません。十分な結合活性を有したリガンドが十分量固定化できていれば、結合レスポンスを検出することが可能です。
- 本記事はka, kd, KD を算出するための相互作用を測定・解析をするための最も基本的な方法を解説しています。目的やそのほかの条件によりこれ以外の方法を取ることもあり得ます。