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HyClone™(ハイクローン)
血清製品

HyClone™血清製品カテゴリ

ウシ胎児血清(FBS、FCS)»

  • 細胞培養培地の成長促進添加剤として幅広く用いられる製品です。
  • 一般に細胞が要求する栄養素をより多く含みます。
  • 細胞増殖を阻害するγグロブリンをほとんど含まず、総タンパク質濃度も低いです。

特殊血清(Specialty FBS)»

  • 特定の目的に応じた細胞培養に適したFBS製品をラインナップしています。
  • 事前に特定の細胞でスクリーニングすることや、加工処理する事により、お客様の研究をサポートします。

仔ウシ血清(Calf Serum)»

  • 高価なウシ胎児血清(FBS)の代替品として細胞培養に活用可能です。
  • 一般的にFBSに比べて、コストは下げられます。
  • 出生後10日以内に採取した原血清を用いる事で、よりFBSの性状に近づけた製品もラインナップしています。

FBS代替品(FetalClone)»

  • FBSと同等の性能を発揮する仔ウシ血清ベースのFBS代替品です。
  • ベースとなる仔ウシ血清を加工処理した製品で、コストを抑えられます。

その他血清製品»

  • ウマ、ブタ血清製品をラインナップしています。

HyClone™血清製品について

HyClone™血清の特長

HyClone™は、高品質なウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum, FBS)を製造するパイオニアとして45年以上にわたり原料血液の採取方法から血清のフィルター処理に関する技術を開発してきました。
今から数十年前、世の中にFBSが誕生した当時、FBSの製造方法は確立されておらず、その色は黒く、エンドトキシンやヘモグロビンの濃度が極めて高いFBSが細胞培養に使われていました。HyClone™血清は約40年前に
(1)市場からの血清の回収方法の確立
(2)フィルターろ過法の製造技術開発
によって現在の血清に近い血清として誕生しました。
その後、さまざまな製品改良や新製品開発ならびに品質検査の拡充により、製品ラインナップも拡大し、今日まで大学・研究機関などのアカデミアや医薬品製造のお客さまに幅広くご使用いただいております。

HyClone™血清の原産国

HyClone™血清の製造原料には、アメリカ合衆国農務省(USDA)によって、牛海綿状脳症(BSE)や口蹄疫(FMD)の非感染国として認定されている国(ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ合衆国、中央アメリカ各国など)で回収された血液を主に使用しています。弊社ではUSDAのウイルス検査に合格した血清のみを提供しております。

OIEによるBSEリスク評価

CountryNegligible BSE riskControlled BSE risk
Australia  
New Zealand  
United States of America  
Canada  
Panama  
Costa Rica  
Nicaragua  

※83rd General Session of World Assembly, May 2017 (OIE: 国際獣疫事務局) の評価

HyClone™ウシ産地と製造設備

血清ができるまで

下記以外にも弊社≪FAQサイト≫にさまざまなQ&Aを用意しておりますのでご活用ください。

血清の回収 FBS製造では、心臓穿刺法により回収した血液を原材料に使用しています。HyClone™血清は、ヘモグロビン濃度とエンドトキシン濃度が低くなるように調製されています。
フィルター滅菌処理 マイコプラズマのコンタミネーションを防ぐ方法として0.1 μmフィルターによる滅菌操作を3度繰り返し、さらに一部の製品には独自開発した0.04 μmフィルターを用いて、ウイルス除去を行っています。
ガンマ放射線/熱処理(オプション) ウイルス混入のリスクをより低減させるために、オプションでフィルター処理後の血清に対してガンマ線照射処理を承ることができます。
また、偶発的な微生物、補体低減のために、オプションで非働化処理(56 ℃、30分)を承ることができます。
血清収集工程とロット調整 弊社ではフィルターろ過後の血清を全量(最大3,000 L)集めてから製品パッケージングを行います。この製法により、ロット内のボトル間差を最小限に抑えた血清製品を提供しております。

品質管理

HyClone™製品は、ISO 9001:2015認可施設でcGMPガイドラインに従って製造されており、厳格に製造手順・品質検査方法・製品取り扱い方法を定めた上で、徹底した品質管理を行っています。したがって、ご購入された血清についても、その原血清の供給元まで遡って追跡することができます。各血清のロットごとに試験成績書(Certificate of Analysis)を提供することが可能です。

品質テスト

HyClone™の血清製品に対して、以下のような品質/分析テストを実施しています。テスト内容は製品によって異なります。

テスト項目

  • エンドトキシン(LAL試験またはEPに準拠)
  • ヘモグロビン
  • 無菌テスト(USP、EPに準拠)
  • 細菌および真菌
  • ウイルステスト(FDA 9CFR113.53またはEMEAに準拠)
    • Bluetongue(ブルータング)
    • Bovine Adenovirus(ウシアデノウイルス)
    • Bovine Parvovirus(ウシパルボウイルス)
    • Bovine Respiratory Syncytial Virus(ウシRSウイルス)
    • Bovine Viral Diarrhea Virus(ウシウイルス性下痢ウイルス)
    • Rabies(狂犬病)
    • Reovirus(レオウイルス)
    • Cytopathogenic Agents(IBR)
    • Hemadsorbing Agents(PI3)
  • マイコプラズマ(FDAのPoints to ConsiderまたはEPに準拠)
  • 生化学アッセイ
  • 電気泳動解析

検査項目(検査項目は予告なく変更されることがあります):

Gamma Globulin, Alkaline Phosphatase, Lactate Dehydrogenase, Glutamic Pyruvic Transaminase (SGPT), Glutamic Oxaloacetic Transaminase (SGOT), pH, Total Protein, Albumin, Blood Urea Nitrogen, Creatinine, Total Bilirubin, Sodium Potassium, Calcium Chloride, Inorganic Phosphorus, Osmolality, Iron, Total Iron Binding Capacity (TIBC), Percent Saturation, Glucose, and IgG.

試験成績書に使われている略号

EFSA:European Food Safety Authority(欧州食品安全機関)
USP:United States Pharmacopeia(米国薬局方)
EP:European Pharmacopeia(欧州薬局方)
EMEA:European Agency for the Evaluation of Medical Products(欧州薬局品庁)
FDA:Food and Drug Administration(米国食品医薬品局)
IBR:Infectious Bovine Rhinotracheitis
PI3:Parainfluenza 3

よくある質問

これ以外にも弊社≪FAQサイト≫にさまざまなQ&Aを用意しておりますのでご活用ください。

QFetal Bovine Serum(FBS)とFetal Calf Serum(FCS)の違いを教えてください。
Aどちらもウシ胎児血清で同じものです。
QHyClone™ウシ血清の種類について教えてください。
A
  1. ウシ胎児血清(FBS, Fetal Bovine Serum)
    ウシ胎児の血液から調整された血清です。Fetal Calf Serum, FCSとも呼ばれることがあります。
    ウシ胎児血清には、細胞増殖阻害作用があるγ-グロブリンがほとんど含まれないためさまざまな細胞培養で利用されています。
  2. 仔ウシ血清(BCS, Bovine Calf Serum)
    生後16-22週の仔ウシの血液から調製された血清です。
  3. 新生児ウシ血清(Newborn Calf Serum)
    生後10日以内の新生児ウシの血液から調製された血清です。
  4. 成ウシ血清(Adult Bovine Serum)
    成体ウシの血液から調製された血清です。γ-グロブリンの含有量が多くウイルス混入のリスクがあるといわれています。家畜ワクチン製造などの用途に使用されています。

※Cytivaでは、成ウシ血清の取り扱いは終了いたしました。

Q血清の原産国の定義を教えてください。
A元になる血液が採取された国を意味します。フィルター滅菌などは別の国で行われることもあります。
Q血清に沈殿物が見られましたが大丈夫でしょうか?
A綿繊維状(1~2 mm)の物質が見られることがあります。これらは血清に含まれるリポタンパク質やフィブリンが主成分で、血清の性能に影響を及ぼすことはないといわれています。遠心操作(500×g, 10 min)で繊維物質を沈殿させ、その上清を0.22 μmフィルターでろ過して使用することもできます。 また、37 ℃での長期保管によってリン酸カルシウムの沈殿物(0.1 μm~0.4 μm)や濁りが見られることがあります。細胞培養に影響する場合もありますので、37 ℃での長時間保存は行わないでください。
※血清の沈殿物は熱処理、37 ℃での長時間保存、凍結融解の繰り返し、ガンマ線滅菌、2~8 ℃での長期保存などによって生じることがあり、そのすべての機構が解明されている訳ではありません。
Q血清の正しい溶解方法を教えてください。
A2-8℃にて撹拌をしながら一晩かけて溶解させてください。その後、室温に移します。血清は溶解後、直ぐに使用することをお勧めします。
Q血清の非働化とは何ですか?
A血清を加温処理することにより、細胞障害活性のある捕体成分を不活化することです。溶解した血清を56 ℃で30分間加熱する処理です。
※HyClone™ではオプションで非働化処理(熱処理、Heat Inactivated)を行うことができます。
Qγ線照射処理をしている製品はありますか?
AHyClone™ではオプションでγ線照射処理を行うことができます。

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