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HyperPAGEアプリケーション 1
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レーン | 泳動サンプル | 備考 | |
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Cy3標識 | Cy5標識 | ||
1 | ECL Plex™ Fluorescent Rainbow™ Markers | 蛍光分子量マーカー | |
2 | ブランク | ||
3 | コントロール* | コントロール* | 標識効率の差を検証 |
4 | EGF* | EGF* | |
5 | コントロール* | EGF* | 標識色素を入れ替えた際の結果の再現性を検証 |
6 | EGF* | コントロール* |
標識色素が異なる同じサンプルを同一のレーンにアプライした例がレーン3・レーン4です(図2、表1参照)。この実験より、Cy3/Cy5間の標識効率について検証しました。
図3に標識色素の異なるEGFサンプルを泳動した「レーン4」のイメージ解析結果を示します。図中のグラフより、Cy3(緑)/Cy5(赤)シグナルのインテンシティカーブがほぼ重なり合っていることがわかります。
このことから、最適化された標識プロトコールを用いれば、異なる蛍光色素を用いてもほぼ同様にタンパク質を標識できることが示されました。
コントロールとEGFをCy3/Cy5の双方で標識したサンプルを用意し、レーン5・レーン6にそれぞれ標識が互いになるよう泳動しました(図2、表1参照)。サンプル・蛍光色素の組合せから成る4つのイメージを解析ソフトウェアImageQuant™ TLにより解析し、標識を入れ替えた際の結果の再現性について検証を行いました。
図4にレーン5、レーン6のイメージ解析結果を示します。二つの解析結果から示されるとおり、Cy3/Cy5標識を入れ替えてもインテンシティ*1カーブのパターンはほとんど変化しませんでした。また、検出したバンドのうち84%(62バンド/74バンド)は両レーンにおいて算出した「Lane%ボリューム*2」の誤差が10%以下でした(データ未掲載)。
このように、Cy3/Cy5の標識を入れ替えた場合にも再現性の高い比較結果を得ることができました。このHyperPAGEという手法が、有意な発現量変化を示すタンパク質バンドの検出にとても有用な技術であることが示されました。
*1 インテンシティ:ソフトウェアで検出したバンド枠内のインテンシティ値(バックグラウンド補正済み)
*2 Lane%ボリューム:レーン間誤差を補正した後の各バンドインテンシティ値を“ボリューム”としたとき、各レーンにおける総ボリューム値に対する各バンドボリューム値のパーセンテージとして算出
図3 Cy3/Cy5標識した同サンプルの比較解析結果
泳動サンプル:EGF |
図4 コントロール/EGFでの比較解析結果
【レーン5(左図)】 【レーン6(右図)】 ※上のグラフとバンド位置は対応しています |
レーン5・レーン6の泳動パターンより(図2参照)EGFとコントロールのディファレンシャル解析を行いました。EGFとコントロールのバンドボリューム比を示したものが図5です。
Lane%ボリュームで評価
縦軸:バンドボリューム比
正の値→EGFで発現量が多い、負の値→コントロールで発現量が多い
横軸:バンドNo.(1~37)
※ImageQuant™ TLにより解析
蛍光標識法は2D DIGE法で培った実績と経験をもとに最適化されており、高いパフォーマンスでのディファレンシャル解析が可能です。HyperPAGEにより得られるディファレンシャル解析結果は、蛍光色素ごとの擬似カラー表示によって視覚的にわかりやすいだけでなく、数値的にも高い精度をもちます。SDS-PAGEという基本的な研究技術にシンプルな蛍光標識を組み合せるだけで、今までのSDS-PAGEでは見逃していたかもしれない各バンドのボリュームや分子量の細かな違いを検出することができる非常に有用なテクニックとなりました。
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