バイオ医薬品製造におけるクロマトグラフィー工程の課題

バイオ医薬品の最終的な商業化を成功させるための課題の一つとして、低コストで生産性の高い精製工程のプロセス開発が挙げられます。

特にクロマトグラフィー技術は精製工程における重要な分離手法の一つですが、従来のビーズ状樹脂担体を使用するクロマトグラフィーカラムには、カラムパッキングの手間や、単位時間あたりに送液できる処理量、目的物質の分子サイズにおける吸着量の制限など、さまざまな改善すべき課題が残されていました。

Cytivaが提供する、コストパフォーマンスに優れたメンブレンクロマトグラフィーソリューション

Cytivaはさまざまなモダリティーのバイオ医薬品や遺伝子治療用医薬品の製造をサポートするため、コストパフォーマンスに優れた革新的なメンブレンクロマトグラフィープラットフォームとしての「Mustang®(マスタング)」シリーズを提供しています。

Mustang (マスタング)シリーズ

Mustangイオン交換メンブレンデバイスは、すでにさまざまなバイオ医薬品製造の精製工程に使用されており、血漿、モノクローナル抗体、ワクチン、遺伝子治療薬に含まれる不純物の除去や大きな分子の吸着に用いることができます。また、これまでのカラムのような使用前のパッキング操作が不要で開封後すぐに使用することができます。カプセルタイプとカートリッジタイプをご用意しており、ラボスケールからGMP製造までさまざまなスケールに対応しています。ラボスケール用のMustangアクロディスクからGMP製造用のMustangカプセルまで同一のメンブレンを使用しているため、一貫採用が可能でスムーズなスケールアップが可能です。

Cytivaのメンブレンクロマトグラフィー製品は、開発期間の短縮やプロセスの経済性の向上といった、今日のバイオプロセスにおける課題を解決する、画期的な新しい選択肢です。

Mustangメンブレンの特長

Muatangメンブレンはタンパク質などの非特定的吸着が少ない、親水性ポリエーテルスルホン製で、従来のカラムクロマトグラフィークロマトグラフィー用の樹脂担体と比較して、極めて大きな孔径(ポア)を持ち、ウイルスやプラスミドのような巨大分子でも、メンブレンに架橋結合されたイオン交換基のリガンドに迅速に相互作用できます。

そのため、カラムにおける樹脂担体のような制限された細孔への浸透拡散のための滞留時間が不要になり、高流速でも高い動的吸着容量を実現します。Mustangメンブレンにより、クロマトグラフィー工程における時間あたりの生産性を大幅に改善することが可能になります。

また、シングルユースとしても対応可能なフィルターカプセル形状のデバイスは、カラムクロマトグラフィーにおけるカラムパッキングなどの準備作業やカラム洗浄、洗浄バリデーションが不要なるためプロセス開発にかかる期間の短縮と総合的なランニングコストの低減につながります。

Mustang Qメンブレンは、孔径0.8 µmのメンブレン上に第4級アミン基を有する陰イオン交換メンブレンです。Mustang Sメンブレンは、孔径0.65 µmのメンブレン上にスルホン酸基を有する陽イオン交換メンブレンです。

Cytivaは、お客様のプロセスにあわせて最適なメンブレンクロマトグラフィーソリューションをご提案します。

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メンブレンクロマトグラフィーのアプリケーション

メンブレンクロマトグラフィーを使用した代表的なアプリケーションをご紹介します。

クロマトグラフィー担体のような、拡散による限界のないオープンポア構造のメンブレンは、プラスミドDNAのような巨大分子でも従来のダイレクトフローにより高いダイナミック結合容量を実現します。すでに承認された遺伝子治療用のプラスミドDNAの精製工程にもMustang™ Q XTメンブレンクロマトグラフィーデバイスが採用されています。
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遺伝子治療用ベクターとして、レンチウイルス(LV)やアデノ随伴ウイルス(AAV)などの利用が注目されています。これら巨大分子の精製工程でも従来のカラムクロマトグラフィーに代わって、Mustang Q XTメンブレンクロマトグラフィーデバイスのようなメンブレンクロマトグラフィーが生産性の向上に寄与しています。
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バイオ医薬品製造工程におけるウイルスクリアランスの改善には、シングルユースで使用できるMustangシリーズが最適です。特にMustang Qメンブレンクロマトグラフィーカプセルによる高いウイルス除去能力は、すでに多くのバイオ薬品の製造工程で採用されています。
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バイオ医薬品製造工程におけるウイルスクリアランスの改善には、シングルユースで使用できるMustangシリーズが最適です。特にMustang Qメンブレンクロマトグラフィーカプセルによる高いウイルス除去能力は、すでに多くのバイオ薬品の製造工程で採用されています。
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エンドトキシンは大腸菌などのグラム陰性菌の細胞壁から生じるマイナス電荷をもつ複雑なリポ多糖体です。Mustang™ Eメンブレンクロマトグラフィーカプセルで、はバッファーや生理食塩水など、広範囲のpH領域および高塩濃度の溶液中からでも、選択された条件下でエンドトキシンを吸着除去できます。 Mustang™ Eはプラス荷電をもつ特殊なリガンドが結合された0.2µm孔径のポリエーテルスルホン製メンブレンであり、3層のメンブレン構造は1回の通液でエンドトキシンに対して高いダイナミック結合容量を持ちます。 シングルユース用にデザインされたカプセル形状のデバイスは、洗浄操作および洗浄バリデーションの必要がありません。幅広いサイズが揃っており、製造工程で必要とされるさまざまなスケールに対応可能です。
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