1. バッファー類

大切なこと 1:用時調製

  • 必ず超純水を使用してください。
  • 超純水、バッファーは用時調製します。

これを怠ると・・・・

作り置きしたバッファーの中では、微生物が繁殖します。経時的に劣化するバッファー成分もあります。

システムの閉塞、再現性のない実験結果につながります。

Tips
冷所から室温環境へ溶液類を持ち出すと、温度変化に伴い溶液中にエアが発生します。バッファーを室温環境に移し、完全に常温になじませてから、再度脱気を実施してください。

大切なこと 2:ろ過・脱気

  • 溶液類はかならずろ過と脱気をしてください。
  • 0.22 μmまたは0.45 μmのフィルターを使用し、吸引ろ過を推奨します。

組成の溶け残りや、ゴミが混入しないよう、フィルターろ過(0.45 μmまたは0.22 μm)を実施します。吸引ろ過することにより、溶液の脱気とろ過を同時に実施できます。

これを怠ると・・・・

ろ過をしないとシステムのライン中のフィルターが閉塞します。

脱気しないと、送液量・圧力が安定せず、実験結果に再現性がなくなります。

用意するもの

  • 0.22 μmまたは 0.45 μmのフィルター
  • ろ過用の器具

写真:バッファーのろ過と脱気のための使用器具の例

2. サンプル液

精製のなるべく直前に、遠心、または遠心+ろ過により固形物を除きます。

冷凍、冷蔵保管していたサンプルでも、沈殿物が発生していることがあるので精製の直前にフィルターろ過を実施します。

これを怠ると・・・・

カラムが閉塞する可能性があります。

遠心条件の目安

  • 細胞破砕物:40,000-50,000 x g, 30 min
  • 少ない液量のサンプル:卓上遠心機にて 15,000 x g、 15 min

ろ過に使用するフィルター細孔径の目安

精製に使用するレジンの粒子径に合わせて選択します

フィルター細孔径 クロマトグラフィーレジンの粒子径
1 μm 90 μm以上
0.45 μm 30、または34 μm
0.22 μm 3,10,15 μm

用意するもの

  • 冷却遠心機もしくは卓上遠心機
  • レジン粒子径に合わせた細孔径のフィルター