ÄKTA avant™ では、マニュアル操作での洗浄、および洗浄用のメソッドを作成して自動的に洗浄することが可能です。
A:メソッドでの洗浄(お勧め)
- 使用したすべてのライン、およびカラムの洗浄をプログラムして実行
- 洗い忘れ箇所が生じる心配がない
- メソッドを作成する手間は1 回
(カラムごとにメソッドを作成する必要があります)
B:マニュアル操作での洗浄
- 使用したすべてのラインとカラムをマニュアル操作で洗浄
- Pump Wash、カラム耐圧設定などを個別に順次手動で実施
注意!
手軽に実施できるが、メソッドで使用した箇所の洗い忘れに注意
(サンプルループ、フラクションコレクターなど)
それぞれの手順は、下の「+」を展開して確認いただけます
メソッド作成と操作手順は下記の通りです。
カラムとシステム洗浄用のメソッドを作成します。
- 既にメソッドを作成済みの場合は手順 9から開始
- メソッド作成の概要は“はじめてお使いの方へ”の 7 章を参照
1. 新規メソッド作成
Method editor より File ↓ New Method
2. メソッドタイプを選択
Predefined Method にチェックを入れ、Column Preparation を選択し、OK
3. 基本設定
メソッド概要中の Method Settings ボタンをクリック
Column selection、Column position などの項目を入力
4. メソッド開始時の表示画面を設定
画面右上の Start Protocol ボタンをクリック
表示されたダイアログから、Variable List にチェックを入れ、OK
5. カラム洗浄内容を入力
メソッド概要中の Predefined Method ボタンをクリック
Volume(CV)に洗浄で使用するカラム体積(3~5)を入力。
必要に応じて流速を変更します。
初期設定は 1ml/min です。至適流速がこれよりも低いカラムでは必ず流速を変更します
6. システム洗浄を挿入
Phase Library 中の System Preparation を、Method Settings と Predefined Method の間にドラッグ
7. システムの洗浄箇所を指定
カラム以外の洗浄するライン(実験で使用したインレットチュービング)を選択します。
(例:初期に選択されているインレットに加え 、 B1 、 Fraction collector 、 Fraction collector accumulator を選択)
上記で選択した各ラインの洗浄で使用する液量(20~30 ml)を Volume per position に入力
本メソッドでサンプルループを洗浄する場合は、「Injection valve with capillary loop」にチェックを入れ、Loop cleaning volume にサプルループの 3 倍以上の容量を入力
サンプルループの洗浄をマニュアルで行う場合は、超純水を満たしたシリンジをインジェクションバルブの Syr ポートに接続し、サンプルループ体積の 3 倍量以上の超純水で洗浄します(この際、空気が混入しても問題ありません)。
8. メソッド保存
File ↓ Save(または Save As)を選択し、任意の名前をつけて保存します。
9. 洗浄メソッド開始の準備
洗浄用メソッドで設定したインレットチュービングを超純水に接続します。
10. 洗浄メソッドの開始
System Control より File ↓ Open を選択し(Method Navigator が開いている場合は不要です)、実行するファイルを選択。 File ↓ Run を選択します。
11. 開始前の設定確認・メソッド開始
Start Protocol 画面が表示されます。
Variable List ウィンドウでカラムの種類を確認します。異なるカラムが設定されている場合は、使用するカラムを選択します。 パラメーターを確認し、Next ボタンをクリックします。
最後のウィンドウまで進めると Finish ボタンがアクティブになります。Finish ボタンをクリックします。
お疲れ様でした!
- ここまでで超純水でのシステム、カラムの洗浄が完了します。
- 2日間以上システムを使用しない場合には、引き続き20%エタノールでの置換作業を同様の手順通りに実施します。
- 流路全体を水酸化ナトリウムで洗浄したいときは、超純水 → 水酸化ナトリウム → 保存液の順で同様の操作を実施します。
20%エタノールは溶液粘性が高いため、至適流速よりも低い流速で送液します(例:室温では 1/2 程度、低温では1/4 程度)。メソッドは、手順11で流速のみ変更して実施できます。
操作手順は下記の通りです
!!!注意!!!マニュアル操作でカラムを洗浄する場合は、必ず耐圧設定を入力してからカラムへ送液します
耐圧設定については“はじめてお使いの方へ“の4.1 章を参照
1. 超純水をセット
使用したインレットチュービング(サンプルポンプを使用した場合は、サンプルインレットも含む)を超純水に接続します。
2. ポンプ内の溶液置換
- Manual Instructions ダイアログより
- Pumps and Pressures → Pump Wash → (使用したインレット) → Execute
3. カラムの洗浄
ポンプ洗浄が終了したら
- Manual Instructions ダイアログより
- Alarms → Alarm pre-column pressure → High alarm(Max pre-column pressure の値) → Execute
- Alarms → Alarm delta column pressure → High alarm(Max delta column pressure の値) → Execute
- Flow path → Column position → Position 2(使用したポジション)→ Execute
- Pumps and Pressures → System Flow →(至適流速またはそれ以下)→ Execute
カラム体積の 3 倍以上の超純水を流し、UV、Cond、Pressure カーブが安定したら END ボタンをクリック
4. フラクションラインの洗浄
- Manual Instructions ダイアログより
- Pumps and Pressures → System Flow → 5 ml/min → Execute
- Flow path → Outlet Valve → Fraction collector → Execute
- Fraction collection → Accumulator Wash → Execute
- アウトレットバルブで分取した場合、使用したラインの洗浄も行います
- Flow path → Outlet Valve → (任意のポート) → Execute
- 1 分以上送液したら END ボタンをクリック
5-1. サンプルループの洗浄(サンプルループを使用した場合)
超純水を満たしたシリンジをインジェクションバルブの Syr ポートに接続し、サンプルループ体積の 3 倍量以上の超純水で洗浄します(この際、空気が混入しても問題ありません)。 <終了>
5-2. サンプルポンプの洗浄(サンプルポンプを使用した場合)
0.5~1 M 水酸化ナトリウムのような洗浄溶液での送液洗浄を行います。
サンプルインレットを洗浄溶液のボトルに接続します。
- Flow path → Injection valve → Direct inject → Execute
- Pumps and Pressures → Sample Flow → 1 ml/min → Execute
- 20~30 分以上送液したら END ボタンをクリックします。
洗浄後、サンプルインレットを超純水のボトルに接続し、ポンプ洗浄を行います。
- Pumps and Pressures → Pump Wash → (使用したサンプルインレット) → Execute
- 終了したら END ボタンをクリックします。 <終了>
お疲れ様でした!
- ここまでで超純水のみの洗浄が完了します(サンプルポンプは洗浄液による洗浄まで終了)。2日間以上使用しない場合には、引き続き保存液(20%エタノール)への置換作業を同様の手順で行います。
- 流路全体を水酸化ナトリウムで洗浄したいときは、超純水→ 水酸化ナトリウム → 保存液 の順で同様の操作を実施します。
Tips!
“3.カラムの洗浄”や“5-2サンプルポンプの洗浄”の際に、エンドタイマー機能を使うと、設定した液量を送液後に自動で終了することができます。
Other → Timer → (パラメーターを設定) → Execute
20%エタノールは溶液粘性が高いため、至適流速よりも低い流速で送液します(例:室温では 1/2 程度、低温では1/4 程度)
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