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ウェスタンブロッティング こんなときどうする?(3)バックグラウンドが高い
今回のテーマは、「バックグラウンドシグナルが高い」場合における対処法です。バックグラウンドの問題もウエスタンブロッティングの各段階において原因が潜んでいますので、しっかり原因を見極めましょう。 原因その1 「装置・器具・試薬からのコンタミネーション」バックグラウンドシグナルが高くなる原因として意外と多いケースが「装置・器具・試薬からのコンタミネーション」です。具体的にはブロッティング装置、メンブレンの振とうに使う容器、メンブレンを掴むピンセットなどがあります。 準備段階で気をつけることができる点としては、使用する装置や器具を手袋を着用してよく洗浄しておくことや、なるべく新しく調製したバッファーを使用することが挙げられます。 操作中に気をつける点としては、手袋の着用、ゲル破片のメンブレンへの付着、メンブレンの乾燥などが挙げられます。メンブレンは乾燥すると傷がつきやすくなり、その傷に検出試薬が非特異的に吸着することがあります。また、蛍光検出の際には、BPB、CBB、TritonX-100などの蛍光成分を含む試薬類はバックグラウンドの原因となります。これらの試薬を用いた容器を使って抗体反応などを行うのは絶対に避けましょう。 原因その2 「抗体濃度」抗体は多ければ多いほど検出感度が上がるという訳ではなく、むしろ、過剰に抗体を添加するとバックグラウンドシグナルの上昇や非特異的バンドの検出の原因となります。検出に最適な抗体濃度はサンプル、抗体の種類、そして検出試薬によって異なりますので、抗体濃度の最適化を十分に検討します。 検討法の一つとして、ドットブロッティングがあります。抗体濃度を5段階(たとえば、500倍、1,000倍、5,000倍、10,000倍、50,000倍)と希釈条件を振ります。抗体の力価によっても至適濃度は異なりますので、抗体に付属の製品添付資料や同じ抗体を使用した論文などを参考にしてください。抗体濃度の検討は、必要に応じて一次抗体・二次抗体の双方で行います。 原因その3 「ブロッキング・洗浄が不十分である」ブロッキングと洗浄における共通の注意点として、メンブレンに対して溶液の振とうがしっかり行われているかを確認しましょう。容器の底にメンブレンが張り付いている場合や、PVDF膜の片面が溶液から露出している場合などがあります。特に最初のステップであるブロッキング時には、これらの点について確認してください。 ブロッキングと洗浄のそれぞれの操作については、使用する溶液組成や処理時間・回数を検討することで、バックグラウンドが改善する可能性があります。特に、Tween 20の濃度を上げることで全体のシグナルが低下する傾向があります。Tween 20の濃度は抗体の結合能にも影響を与えますので、目的タンパク質の検出強度を考慮しながら条件を決定します。また、BSAやゼラチンをブロッキング剤として使用した場合には、インキュベーション時間だけでなく温度もファクターとして働きます。 強力なブロッキング剤製品として、ECL™ Prime Blocking Agentがあります。バックグラウンドでお困りの際には一度お試しください。 (おまけ) スキムミルクに要注意!ウェスタンブロッティングでリン酸化タンパク質を検出しようとしたけど、真っ黒な結果をみてビックリ。原因はブロッキング剤と抗体希釈液に用いていたスキムミルクでした。スキムミルクにたっぷり含まれているカゼインはリン酸化タンパク質です。リン酸化タンパク質を検出するときには、みなさんもぜひ気をつけてください。
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