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失敗を未然に防ぐための操作ポイント
ウェスタンブロッティング操作上の注意点

ウェスタン テクニカル担当者
回答:ウェスタンブロッティング担当

ここでは、ウェスタンブロッティングをスムーズに行うためのちょっとした工夫 “Tips = コツ” についてまとめました。

お客さまからいただくお問合せ内容などから、陥りやすい状況をいくつかピックアップして、それに対する予防策としての操作ポイントをご紹介します。

陥りやすい状況


バックグラウンドのムラを消すためのコツ

メンブレン上に溶液が均一に行き渡るように操作を行いましょう

検出後のメンブレンでバックグラウンドがまだらに出てしまったり、 ある箇所だけ異常にバックグラウンドが高かったりした経験はありませんか? 特に高感度の検出試薬を使って検出する際には、このような現象はよく見られます。

ムラを防ぐコツは、メンブレン上に溶液が均一に行き渡るように操作を行うことです。以下のようなポイントに注意すると良いでしょう。

容器の淵から溶液を注ぐ

(避けたほうが良い操作)
×メンブレン上に勢いよく溶液を注ぐ ⇒注いだ部分を基点にバックグラウンドが強く出たり、抜けてしまったりします。

検出試薬を添加する際の手順

検出試薬をメンブレンにかける際は、 ラップにブロット面を上にしたメンブレンを置いた状態で、推奨容量の検出試薬を添加することが重要です。

(避けたほうが良い操作)
×ラップの上にスポットした検出試薬の上に、メンブレンをのせる ⇒ムラができやすいです。必ずメンブレンを置いたところに、溶液を添加するようにします。
×検出試薬量が少ない ⇒メンブレン全体に溶液が行き渡るよう、推奨容量の溶液を使うようにしましょう(下述)


バックグラウンドが高く出てしまうときの身近な解決策

メンブレンを処理する容器を、ステップごとに替えてみましょう

ブロッキング、洗浄、抗体反応などのステップごとに容器を区別していますでしょうか?

タンパク質は中性洗剤で一生懸命洗っても、容器に付着したままとれない場合も多いです。それがコンタミネーションとなり、バックグラウンドが高くなる原因になっていることがあります。

最近、反応結果に再現性がないお客さま。まずはステップごとに新しい容器を使って反応を試してみてはいかがですか?

抗体量を減らしてもシグナルが出るって聞いたけど・・・

抗体量はもちろん、抗体“液”量にも注意!

貴重な一次抗体、できるだけ使用量は減らしたいところ。十分にシグナルが検出できるようであれば、推奨の抗体量より少ない量でも解析可能かも?

ただし、あわせてご注意いただきたいのが、一次抗体処理時の抗体“液”量です。抗体濃度を保とうとしてあわせてトータルの抗体液量を減らしてしまうと、ハイブリパックやトレイ内の処理でメンブレンに十分抗体溶液が行き渡らないことがあります。その結果、メンブレンの部分部分で接触する抗体量にムラが生じてしまい、実験を失敗する羽目になってしまいます。

少なくとも、液量の高さが容器底から5 mm程度になるよう、抗体溶液を準備しておきましょう。


タンパク質を転写した側(裏表)がどちらだかわからなくなったことがある

メンブレンの一角に切れ込みを入れておきましょう

転写する前のメンブレンには表裏はありません。しかし、転写後には表裏ができます。実験中にどちらが表(サンプル転写面)かわかるように、メンブレンの一角に切り込みを入れておきましょう。一般的に、転写面の方が若干検出感度が上がることが多いです。

また、切込みを入れる角をいつも同じ側(例えば、向かって右下)に決めておくと、長期保存した場合でもすぐにわかります!

検出シグナルに、ポッカリ丸い穴が空いたことがある (セミドライ転写時)

メンブレンやろ紙の間に、気泡が入らないよう注意しましょう

目的バンドのシグナルが丸く抜けてしまった経験はありませんか?

これは、セミドライ転写の際にゲル・メンブレン・ろ紙などの間に気泡が入ってしまったことが原因です。転写前は小さな気泡であっても、転写時に発生する熱により気泡は大きく大きくなります。ですので、小さな気泡だからといって油断は禁物です。

これを防ぐには、ゲル・メンブレン・ろ紙を重ねる時に気泡が入らないように気をつけることはもちろんですが、ろ紙の選択を工夫することもできます。薄いろ紙を何枚も重ねるよりも、厚いろ紙を1枚にした方が気泡は入り辛くなります。

同じ抗体・同じプロトコールで検出したのにバックグラウンドが高くなったことがある

新しく購入した抗体(特に製造ロットの異なるもの)を使う際は、力価を確認しましょう

まったく同じ抗体を購入した際でも、バックグラウンドが高くなったり、シグナルが検出されなくなってしまったりしたことはありませんか?

抗体は製造ロットにより力価が多少変わることがあります。以前に使用していた抗体試薬と製造ロット番号が異なる場合には要注意です!

ロットごとの力価情報が掲載されている製品は使用前に力価を確認し、以前の製造ロットとかけ離れている場合には、抗体希釈率を振って検出してみましょう。力価の確認方法は、製品Q&A 「一次抗体の希釈倍率は、どのように決定するのですか?」をご参照ください。

皆さまが知っている失敗しないための“コツ”をお聞かせください!

今回のご紹介は参考になりましたか?

皆さまが普段実施しているウェスタンブロッティングの“Tips”、“コツ”がありましたらぜひご連絡ください。特に多くの方に応用いただけると判断した内容については、本ページに追加掲載させていただきます。掲載されたお客さまには、弊社オリジナルグッズを贈らせていただきます。

●あなたの “コツ” は、こちらまで

BioDirect-JP@cytiva.comにE-mailを送信

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