圧が高い原因
圧が高い場合は、以下のような原因が考えられます。
1. 流速が速い
Action:カラムの推奨流速の範囲またはそれ以下に流速を下げる
2. 耐圧の設定が不適切
Action:カラムに適した耐圧設定に変更する
耐圧設定についてはお使いの機種の説明を参照
3. 20%エタノールの送液中、もしくは20%エタノールがカラムに残っている場合
超純水と20%エタノールの粘性の違いにより、これらの境目がカラム内部にあるときには超純水を送液しているときに比べて2倍近い圧力を発生します。
Action:流速を1/2に下げる
4. 低温環境での操作
カラムの推奨流速は常温環境向けに設定されています。
低温環境で使用すると、常温で使用する場合の2倍近い圧力が発生します。
Action:流速を1/2に下げる
※低温環境で20%エタノールを送液する場合には推奨流速の1/4に下げる
5. 粘性の高い組成のバッファーの利用、サンプル液の添加中
実験に用いているバッファーに粘性を上昇させる成分(例:グリセロール等)が含まれる場合は圧力が高くなります。また、サンプル液を添加している最中もしばしば圧力が上昇します。
Action:実施中の精製では、耐圧範囲内で運転できるよう流速を下げて続行する
6. どこかに閉塞がある
上記1~5以外の状況で圧力が高い場合には、次のフローチャートに従って解決します。
その前に!
圧力計のキャリブレーションがずれていることがあるので、フローチャートに進む前に圧力センサーのキャリブレーションを実施して下さい。圧力センサーのキャリブレーション方法は、お使いの機種の“はじめてお使いの方へ”の13.2項を参照してください。
ワークフローチャート
[ 作 業 ]
カラムバルブが搭載されたシステムでは、流路をBypassに変更します。
カラムバルブが搭載されていないシステムでは、一度カラムをシステムから取り外し、カラムの代わりにチュービングを接続します。
[ 作 業 ]
- アラームが作動しないような低い流速で送液し、この時の圧力をメモします。
- 1と同じ流速で送液しながら、システムの下流から順番にコネクタを緩めます。メモした圧力から変化がない場合は、再度締めて、次のコネクタ (上流側) に移動します。これを繰り返し、圧力が(大きく)下がった箇所が閉塞箇所です(ただし、FR-902では通常流速2.5 mL / minで0.15-0.25 MPa程度の圧力が発生します)
- 原因箇所別の対応を実施します。
原因箇所がチュービングの場合
同じ長さにカットした新しいチュービングに交換します。
原因箇所がFR-902の場合
以下を試してください。
- FR-902を取り外して丸ごと超音波洗浄する(水中、10-15分程度)
- R-902の入り口側(“IN”と刻字のある方)に注射器を接続して、手操作で送液する。
※ 液が跳ねる可能性があるのでシンク内で行って下さい
これらを実施しても改善しない場合には、FR-902(製品コード:18112135)を交換します。
原因箇所がオンラインフィルターの場合
※ ÄKTA avant™ 25/150, ÄKTA pure™ 25/150のみ
新品のフィルター(18102711、10 枚入り)に交換します。
オンラインフィルターはミキサーに内蔵されています。
詳細はお使いの機種の“はじめてお使いの方へ”の11.メンテナンスの項を参照してください
原因箇所が上記以外の場合には、お問合せください。
[ 作 業 ]
カラムをシステムに接続しているチュービングとコネクタを別のものに交換してみます。
それでも圧力が変わらなければ、カラムが原因箇所と特定できます。
操作手順は下記の通りです
カラムごとに推奨の洗浄方法が設定されています。Instructionに従い洗浄、フィルター交換などを実施します。
Instructions for useがお手元にない場合は、こちらのサイトから最新版をダウンロードできます(カラムのコード番号で検索)
お問合せフォーム
※日本ポールの他事業部取扱い製品(例: 食品・飲料、半導体、化学/石油/ガス )はこちらより各事業部へお問い合わせください。