本FAQは徹底解説FAQ:空カラムの選び方(ラボスケール)の関連FAQです。


FAQ 目次


 Q1 カタログ掲載の理論段数より低い値が出ました。新品なのに、なぜ?

 Ans 

カタログ掲載の理論段数は弊社の出荷基準であり、カラム評価のみを目的とした特殊な構成のシステムで実施されます。理論段数は、使用する機器のデッド体積、サンプル添加方法に影響を受けるので、精製用のシステムを使用した場合の理論段数は、一般にカタログ掲載値よりも低くなります。よって、カタログ掲載値と比較することにはあまり意味がありません。

カラムが新品の時に理論段数、非対称性の値をお使いのシステムで算出しておくと、その後のカラムの性能変化を知る際の基準値として役立ちます。

 Q2 カラム自作の場合、理論段数や非対称性の目標値はいくつに設定すれば良いですか?

 Ans 

同じレジンを詰めたプレパック製品の出荷基準値に合わせて設定する必要はありません。

目的の分離が達成できる範囲で、下記非対称性(As)や還元理論段数(h)を設定して下さい。

<非対称性(As)の一般的目安>

吸着モード(イオン交換、アフィニティーなど):0.8から1.8

非吸着モード(ゲルろ過など):0.8-1.5

<還元理論段数(h)の一般的目安>

初期精製、バッファー交換など:5~10

中間精製、最終精製:3~5

 還元理論段数(h)は、1mあたりの理論段数(N/m)から算出した1理論段あたりの高さ(HETP)を、充填したレジンの平均粒子径で割った値です。理論段1段分を、何粒のレジンで構成しているかを示します。つまり1 が理想値で、1以下の値ではレジンがつぶれ気味になっていることを示します。

 非対称性(As)や、還元理論段数(h)についてはApplication note:Column efficiency testingをご覧ください。

 Q3 自作したカラムが使える性能かはどう判断するか?

 Ans 

目安はQ2のとおりですが、これを満たしていなかった=使えない。というわけではありません。

用途が決まっているカラムでは、目的の分離が達成できるかで判断します。
詰めたカラムが利用できるかどうかの判断基準は、用途に合わせご自身で設定する必要があります。

 Q4 自作したカラムは何回使えますか?

 Ans 

目的の分離を達成できる状態を保つことができる限り、使用可能と言えます。
それには、適切な洗浄方法の設定や、Q3のように使える/使えないを判断する基準をご自身で持っていることが必要です。