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「ろ過」を考える――ラボ全体の効率化のためにできることラボ全体の作業効率を考え改善していくためには、どのようにすればよいのか?今回は「ろ過」を対象に、ろ紙製品選びの際に気をつけるべき「粒子保持能」、「荷重容量」や「液体の流速」に着目して考えてみましょう。 あなたのラボ/研究室/実験室は、どのくらい効率的に機能しているか考えたことがあるでしょうか?ラボ/研究室/実験室の効率性は、コストを最小限に抑えながら結果を改善し、限られた時間でいかに多くの分析を実施できるかが重要です。 もちろん、ラボ/研究室/実験室には全体的な効率に影響を与える可能性のある領域や工程がたくさんあります。「ろ過」は、効率性の観点でみるとメリットが得られる分析の重要なステップなのです。 きっとあなたのアプリケーションに適した「ろ紙」があるでしょう。ろ紙を別のグレードに切り替えてみたら、簡単に分析できたり、早く分析できたり、より一貫性のある実験結果が得られる可能性があります。ここではろ過の基本に立ち返り、あなたのアプリケーションに適したろ紙を選ぶ際の最も重要なチェックポイントをみていきましょう。 ろ紙を選ぶ――考慮すべきことは?見た目は似ているように見えるかもしれませんが、ろ紙はその種類によって技術的な特性にかなりの違いがあります。多種多様なろ紙の技術的特性の違いによって、さまざまなニーズの分析を可能にしています。しかし、あまりにろ紙の種類が多すぎると、目的に合わないものを選択してしまうリスクも生じます。 高い信頼性と一貫性、再現性ある分析がラボ/研究室/実験室では求められます。ろ紙の選択は、ラボ/研究室/実験室の効率性に影響を与える可能性のある要素の1つです。 ここでは適切なろ紙を選ぶ際に考慮したい3つのポイント、「粒子保持能」「荷重容量」および「液体の流速」についてみていきましょう。これら3つすべてが、ろ過の有効性やスピードに影響します。 ▼粒子保持能ろ紙の「粒子保持能」は保持される粒子の大きさを表し、マイクロメートル(μmまたはミクロン)で表されます。セルロースろ紙とガラス繊維ろ紙については「公称ろ過精度」として表され、二次的なろ過効果を考慮して98%の効率に見積もられてます。孔径が規定されているメンブランフィルターの場合は、絶対ろ過精度を示します。フィルターの粒子保持値が低いほど、保持される粒子は小さくなります。 ろ過によって除去しようとしている化合物の粒子サイズと、ろ紙を通過させる化合物のサイズを確認してみましょう。次に、取り除く粒子よりも粒子保持能がわずかに小さいろ紙を選択します。例えば、水溶液から直径5.8μmの粒子を除去する必要がある場合、5μmの粒子保持能のろ紙を検討します。 ろ過する粒子が、サイズの異なる複数の化合物である場合は、2つの選択肢があります。
▼荷重容量ろ紙の荷重容量は、ろ紙の繊維状マトリックスに微粒子を担持する能力に関係します。高い荷重容量が一般的に求められますが、トレードオフの関係があります。 高い荷重容量をもつろ紙は化学的に処理されており、未処理のろ紙と比べると高価になります。化学的処理によって、分析に影響を及ぼすこともあります。サンプルとの化学的相互作用が起こったり、化学的処理によって未処理のろ紙よりゆっくりとした流速のため、結果が得られるまでに時間がかかったりします。 ろ紙上に保持したいろ液の重量を把握することで、必要以上にろ紙選びを複雑にすることなく、確実に対応できるろ紙を選択することができます。 ▼液体の流速流速は、液体がろ紙を通過する速度を表します。実際は、流速はろ過される固体/液体に存在する特異的な因子に影響を受けます。比較のために、コントロールとして重力下の各グレードのろ紙の水の流速を測定し、直径毎に標準化としています。 ろ紙の粒子保持能と荷重容量を把握したところで、選択肢の中からどのろ紙が高い流量をサポートするのか?その逆はどのろ紙か?を大まかに理解します。 最終的には、ろ紙選びは研究における必要条件によって変わります。――例えばすぐにろ過する必要のあるサンプルがあるか? ある一定時間サンプルをそのまま置いておけますか? ある流速が必要かつ正圧または負圧のいずれか維持する必要があるか? もしそうならば、これらの要件を満たすグレードのろ紙を選択するようにしましょう。 「粒子保持能」「荷重容量」「液体の流量」――あなたに合ったろ紙を選ぶ際に考慮すべき重要な特性を見てきました。これらすべてがろ過の有効性とろ過スピードに影響します。あなたのニーズに合ったろ紙を選ぶためのより多くの情報については、ブログをご覧ください。 ろ紙に関するお問い合わせは、下記フォームよりお気軽にご連絡下さい。
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