二次元電気泳動で見えるタンパク質
DIGE道場では、DIGEを中心とした二次元電気泳動の操作そのものを取り上げている本編に加え、コラムを連載している。このコラムでは、一歩引いた広い視野から2D-DIGE(二次元電気泳動)テクノロジーについて見つめなおし、その可能性や今後の発展性について近藤先生が思うところを執筆いただいているものである。
今月のコラム第6回「二次元電気泳動は何をみているのか?」では、既存の公開データベースSwiss ProtとUCSC Genome Browserに収録されているタンパク質を対象にいくつかの異なる角度からデータ解析を行い、「二次元電気泳動法という技術ではプロテオーム全体像のどこをみることができるのか」について考察いただいている。
ヒートショックプロテイン、細胞骨格タンパク質、代謝系のタンパク質。これらのタンパク質しか二次元電気泳動では検出できないと感じている方も多いのではないだろうか?この疑問についても、近藤先生なりの視点から多様なタンパク質解析への可能性を論じている。本編でプロトコール詳細を身に付けた後には、続けてコラムをぜひ読んでいただきたい。
コラムから先に読みたくなってしまった方はこちら →コラム第6回 「二次元電気泳動は何をみているのか?」
DIGE 道場 第6回
ゲルボックスを使ったSDS-PAGEゲル作製の実際
第6回 もくじ
- はじめに (本ページ)
- Ettan™ DALTtwelveのためのゲル作製 1
- Ettan™ DALTtwelveのためのゲル作製 2
- 巨大ゲル用のゲルボックスの使用法
- おわりに
Dr. 近藤のコラム
コラム第6回 「二次元電気泳動は何をみているのか?」
1. はじめに
先月に引き続き、SDS-PAGE用のゲル作製について紹介する。先月はグラジエントメーカーを使ったゲル溶液の作製を記載した。今月は作製したゲル溶液を注ぎ込んで板状のゲルを作製する「ゲルボックス」の使い方についてご覧にいれる。ゲルボックスを使ったSDS-PAGEゲルの作製は縄文時代(?? by担当松尾)から行われている。使い方は実に簡単であり、一度マスターすれば以後まず失敗しない。
オペレーターは、近藤ラボの大番頭である藤江由希子氏と、呼吸器内科医師で国立がんセンターのリサーチレジデントの小齋平聖治医師である。小齋平医師は肺がんの治療成績の向上を目指し、臨床医ならではの視点から約300症例の手術検体を使ったプロテオーム解析を行っている。800枚以上の巨大二次元電気泳動・画像解析・統計解析の結果、肺がんの悪性度に関わる興味深いタンパク質スポットを同定しており、現在は質量分析を用いた同定実験を行っている。
筆者のラボでは2種類のサイズのゲルを二次元電気泳動法に使っている。初めに一般的なEttan™ DALTtwelve用のゲル作製、次に巨大ゲル用のゲル作製をご紹介する。
全行程にわたりラテックスのグローブ(パウダーフリー)を必ず着用する。ガラス板の汚れを防ぐためと、滑り止めのためである。
次へ Ettan™ DALTtwelveのためのゲル作製 1
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