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Location:Home実験手法別製品・技術情報2D DIGE(蛍光標識二次元発現差異解析)

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カロリ鈴木の技解説

【片羽絞(かたはじめ)】
おおよそ12種ある絞め技の1つです。

今日、世界中に多数の格闘技が存在しますが、絞め技を取り入れている格闘技はほとんどなく(例外:グレイシー柔術=ブラジリアン柔術)、柔道古来の技といっても過言ではありません。

片羽絞は送襟絞(おくりえりじめ)を変形した技であり、手で相手の頚動脈を絞めつける形です。

一見すると、寝っころがって首元を押し付けあっているかのように見えますが、実際は生物学的に弱く鍛えることが困難な頚動脈を狙っています。相手の意識を絶つことで勝負を決するという、柔道の中でも古武術の流れを十分に残した技であります。

絞め技で失神することを柔道用語で"落ちる"といいます。きちんと頚動脈を圧迫され失神した者は絞めを外すことで、脳への血流がすぐに再開し問題はありません。しかし、誤って気管を圧迫され失神した者を放置すると危険が伴うため、片羽絞は過激な技ともいえます。実際に技をかけられた感覚は心地よいたちくらみのようであり、度々絞められると、"落ち癖"なるものがついてしまい、少し絞めただけ落ちてしまう程の高感度となってしまいます。逆に、喉仏などを無理矢理締めつけられると、地獄の苦しみを味わうこととなり、絞める側も絞めつけられる側も予断を許さない技です。

このように、近藤はゲルボックスを使ったSDS-PAGEゲル作製をポイントさえきちんと抑えれば、二次元電気泳動を制することができるということを片羽絞で表現しています。

絞め技余談)今回の片羽締とは異なりますが、世界中を震撼させた締め技は1981年世界柔道(開催地オランダ)、無差別級決勝で山下泰裕選手が相手にかけた送襟絞(おくりえりじめ)です。相手は完全に落ちきってしまい舌を垂らして失神したことからブラジル柔術界では現在でも、このときの絞め技を別名「ヤマシタチョーク」と呼んでいるそうです。

二次元電気泳動で見えるタンパク質

DIGE道場では、DIGEを中心とした二次元電気泳動の操作そのものを取り上げている本編に加え、コラムを連載している。このコラムでは、一歩引いた広い視野から2D-DIGE(二次元電気泳動)テクノロジーについて見つめなおし、その可能性や今後の発展性について近藤先生が思うところを執筆いただいているものである。

今月のコラム第6回「二次元電気泳動は何をみているのか?」では、既存の公開データベースSwiss ProtとUCSC Genome Browserに収録されているタンパク質を対象にいくつかの異なる角度からデータ解析を行い、「二次元電気泳動法という技術ではプロテオーム全体像のどこをみることができるのか」について考察いただいている。

ヒートショックプロテイン、細胞骨格タンパク質、代謝系のタンパク質。これらのタンパク質しか二次元電気泳動では検出できないと感じている方も多いのではないだろうか?この疑問についても、近藤先生なりの視点から多様なタンパク質解析への可能性を論じている。本編でプロトコール詳細を身に付けた後には、続けてコラムをぜひ読んでいただきたい。

コラムから先に読みたくなってしまった方はこちら →コラム第6回 「二次元電気泳動は何をみているのか?」

DIGE 道場 第6回
ゲルボックスを使ったSDS-PAGEゲル作製の実際

第6回 もくじ

  1. はじめに (本ページ)
  2. Ettan™ DALTtwelveのためのゲル作製 1
  3. Ettan™ DALTtwelveのためのゲル作製 2
  4. 巨大ゲル用のゲルボックスの使用法
  5. おわりに

Dr. 近藤のコラム
→コラム第6回 「二次元電気泳動は何をみているのか?」

1. はじめに

先月に引き続き、SDS-PAGE用のゲル作製について紹介する。先月はグラジエントメーカーを使ったゲル溶液の作製を記載した。今月は作製したゲル溶液を注ぎ込んで板状のゲルを作製する「ゲルボックス」の使い方についてご覧にいれる。ゲルボックスを使ったSDS-PAGEゲルの作製は縄文時代(?? by担当松尾)から行われている。使い方は実に簡単であり、一度マスターすれば以後まず失敗しない。

オペレーターは、近藤ラボの大番頭である藤江由希子氏と、呼吸器内科医師で国立がんセンターのリサーチレジデントの小齋平聖治医師である。小齋平医師は肺がんの治療成績の向上を目指し、臨床医ならではの視点から約300症例の手術検体を使ったプロテオーム解析を行っている。800枚以上の巨大二次元電気泳動・画像解析・統計解析の結果、肺がんの悪性度に関わる興味深いタンパク質スポットを同定しており、現在は質量分析を用いた同定実験を行っている。

筆者のラボでは2種類のサイズのゲルを二次元電気泳動法に使っている。初めに一般的なEttan™ DALTtwelve用のゲル作製、次に巨大ゲル用のゲル作製をご紹介する。

全行程にわたりラテックスのグローブ(パウダーフリー)を必ず着用する。ガラス板の汚れを防ぐためと、滑り止めのためである。

次へ Ettan™ DALTtwelveのためのゲル作製 1

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