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DIGE 道場 第6回
ゲルボックスを使ったSDS-PAGEゲル作製の実際

第6回 もくじ

  1. はじめに
  2. Ettan™ DALTtwelveのためのゲル作製 1
  3. Ettan™ DALTtwelveのためのゲル作製 2
  4. 巨大ゲル用のゲルボックスの使用法 (本ページ)
  5. おわりに

Dr. 近藤のコラム
→コラム第6回 「二次元電気泳動は何をみているのか?」

4. 巨大ゲル用のゲルボックスの使用法

次は巨大ゲル用のゲルボックスの使い方を紹介する。専用のゲルボックスはガラス板、塩化ビニル板、スポンジなど消耗品一式含めてバイオクラフト社から購入することができる。筆者のラボではこのセットを使ってすでに2000枚以上のゲルを作製しており、効能は折り紙つきである。

ゲル箱の外観。このゲル箱も2-ブタノールのために全体に白っぽくなっている。黒い台は滑り止めに特注したものである。この黒い台の底面には溝が切ってあって、ゲルボックスが前にすべらないように工夫してある。実験台そのものにもストッパーが取り付けられており、ゲル作製台からゲル箱が滑り出した場合でも床には落ちないようにしている。Ettan™ DALTtwelve 用と違ってシール用のチューブは蓋ではなくてゲルボックス本体に取り付けられている。アクリル板は長期間使用すると水を吸って曲がってくる性質があるので、側面はボルトで、背面は横方向のアクリル棒で変形を防止すると同時に補強している。後で登場する蓋にも補強を入れている。何度も何度も試作品を作って試した結果こうなった。左下からゲル溶液が入るので、その部分にはスポンジを入れている。

写真25

塩化ビニル板とガラス板を入れているところ。一つ一つのサイズが大きいだけでこの操作はEttan™ DALTtwelve での操作とまったく同じである。

写真26

ゲル箱を組み立て終わったところ。これから左に位置するグラジエントメーカーにチューブをつなごうとしている。Ettan™ DALTtwelve 用のゲルボックスとの大きな違いは、こちらはゲル溶液を直接ゲルボックスの下から注ぎこむことである。蓋にもアクリル棒で補強が入っている。これがないと大きなアクリル板は短期間でそってしまい使い物にならなくなる。

写真27

グラジエントメーカーの操作中。ゲル溶液の容量が大きいこと以外、操作手順はEttan™ DALTtwelve の場合とまったく同じである。

写真28

ゲル溶液を注ぎ込んだ後はガラス板の上端に水飽和2-ブタノールを重層する。ゆっくりあせらず一定の速さで操作することがDIGEである。液面は直接見えないので、手の動きを一定にする他には均一に注ぐ方法がない。

写真29

注ぎ終えた後はラップをかけてその上からペーパータオルをかけて一晩寝かせる。エアコンの送風が直接あたる場所でない限りは上から電気泳動用のバッファーを重層しなくてもよい。もっとも、部屋の湿度にも関係するので、念を入れるのであればSDS-PAGE用の泳動バッファーを重層してもよい。これで終了。

写真30

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