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DIGE 道場 第6回
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1.5M Tris, pH8.8 | 125ml 375mM |
87% Glycerol | 287ml 50% |
25mg/ml BPB | 200μl |
超純水 | 88ml |
合計 | 500ml |
下の写真では接続部の周囲に「ブルーの液」が満たされていることがお分かりだろうか。この後、ゲル溶液をすべて注ぎ込んでから接続チューブ管を引っこ抜く。そうすると「ブルーの液」がゲルボックスに入っていく。その目的は後述する。
グラジエントメーカーを使っているところ。使い方は先月号を参照。
ゲル箱にゲル溶液が入り液面が上昇しているところ。マークしてあるところでゲル溶液を止める。ガラス板の上端ぎりぎりではないことに注目。
ゲル溶液を適切な量だけ注ぎ込んだ後は接続用のチューブ管を抜く。接続チューブ管はプラスチック製である程度の固さをもっている。チューブを抜くとあらかじめ注いでおいた「ブルーの液」がゲル箱側のチューブの中へ入り、次いでゲル箱に入っているゲル溶液を下から押し上げ、ガラス板セットの下端とゲル箱の間の不要な空間に満たされたゲル溶液をガラス板の間へ押し込んでいく。この重層溶液の容量をあらかじめ計算に入れてゲル溶液はゲル箱の上端から余裕もって止めるようにしているのである。
ゲル溶液がガラス板の上端に到達し送液を止めた後、すぐにグラジエントメーカーの洗浄を始める。ペリスタポンプの目盛りを10にセットして水道水でチューブ類を勢いよく流し洗いする。水を十分量グラジエントメーカーに入れ、ペリスタポンプは回しっぱなしにしておく。
ゲルボックスの作業に戻り、水飽和2-ブタノールをゲル溶液の上から重層する。水飽和2-ブタノールはあらかじめ超純水で飽和させたものを50mlのチューブに入れて準備しておく。水で飽和させておかないとゲル溶液に2-ブタノールが溶けてしまうと言われている。水飽和2-ブタノールは作製したものを室温で保存し、不足分を継ぎ足すようにしている。操作としては、1mlのチップを使ってだいたい一定の速度で連続的に重層していく。あまり勢いよく2-ブタノールを重層するとゲルの上面が乱れてしまうので注意が必要。このステップに噴霧器を使っているラボもある。しかし周囲一帯が匂ってしまうのでお勧めできない。水飽和2-ブタノールのためにゲル箱の周囲のアクリル板の表面は長期間使用すると例外なくぼろぼろになる。補修としてゲルボックスの上端の手前側はアクリル板の端材で補強してある。
重合するまでの間はごみが入らないようにラップなどで上を覆っておく。
ラップをかけ終わったらグラジエントメーカーの洗浄操作に移り、水道水、超純水といれて洗浄する。グラジエントメーカーに接続されたチューブにはゲル溶液が残っていて重合するので、ここは少し急いだ方がよい。洗い方に特別な方法はなく、ペリスタポンプを高速で回しながらゲル溶液が入ったところを三方活栓に接続してあるシリンジも使って水洗する。仮にどこかでゲル溶液が重合してしまっても分解して洗えばいいのでそれほど重大なトラブルではない(忙しい時にやってしまうと気が滅入るだけである)。
ゲルボックスの右下に青く見えるのは「ブルーの液」である。本来はこのスペースにはゲル溶液が入っているのだが、「ブルーの液」によって押し上げられてガラス板の間に入って行った。ゲル溶液の代わりにこの部分は重合することのない「ブルーの液」で満たされている。
室温でだいたい3時間後にゲルはほぼ完全に重合する。そうなるようにゲル溶液の組成を決めている。重合するまでの間、絶対にゲルボックスは動かさないこと。
重合後にSDS-PAGE用の泳動バッファーで湿らせたペーパータオル(これは低蛍光でなくてもよい)を上にかける。ペーパータオルの上からSDS-PAGE用の泳動バッファーを注いでおく。一晩おいて重合を完全なものにするのだが、夜のうちにゲルの上端がからからに乾いてしまわないようにするためである。
湿らせたペーパータオルの上からラップをかけたところ。翌朝にはゲルは完全にできあがっているので、逆の操作でゲル箱を解体し、ゲルを取り出す。水道水で洗浄して風乾し泳動に使用する。ゲルを含めたゲルボックスは案外重たいので、流しまでの移動には実験台と同じくらいの高さの金属製のワゴンを使っている。
いつも使用している低蛍光ペーパータオル。フナコシを通じて入手することができる。
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