2D-DIGEを用いた論文発表数 -2008年-
DIGE道場の連載が始まった本年4月の時点で、2D-DIGEを活用した内容の論文が1,000報を超えているとご紹介した。1,000報越えにちなんで7月に開催したセミナーのタイトルも『千の報告から見る2D-DIGE』とした。
2008年も残すところわずかとなった年の瀬に、本年中に発表された論文数を調査した(12月15日時点でのCytivaにおける独自調査)。確認できたものだけでも昨年比25%増の388報を数えた。累積論文数は1319報に上る。タンパク質の発現比較のための手法として、世界的に認知度が高まっているように感じる。
今月のコラム第8回 「二次元電気泳動の標準化」で近藤先生は二次元電気泳動法の標準化について述べている。プロトコールの標準化が可能となれば世界中の研究者間でのデータ統合、ひいては研究促進につなげられるのではとコメントしている。論文を参考にDIGEに興味を持った研究者にとっても、このような情報が公開・利用されるようになることは朗報だろう。
DIGE 道場 第8回
ロボットを使ったスポットの回収
第8回 もくじ
- はじめに (本ページ)
- スポットの回収になぜロボットは有用か
- ロボットを使ったスポット回収の実際(1) ガラス板のコーティング処理
- ロボットを使ったスポット回収の実際(2) ゲルの作製
- ロボットを使ったスポット回収の実際(3) 電気泳動からピックリストの作成まで
- ロボットを使ったスポット回収の実際(4) 分取ロボットによるスポット回収
- 最後に
Dr. 近藤のコラム
コラム第8回 「二次元電気泳動の標準化」
1. はじめに
みなさんはどのようにしてスポットを切り取って回収しておられるだろうか?カッターナイフを使ったり、チップの先端を切り落としたものを使ったりしておられる方も多いだろう。注射針を使って「くりっ」と回収されているかもしれない。スポット回収のための専用のツールも市販されているようである。ロボットなどなくて十分と思われている方もおられるのではないだろうか。そのような方のために、本稿ではロボットを使ったスポット回収の実際をご紹介する。
スポットを回収するためのロボットを筆者が使い始めたのは2001年からである。それまでは二次元電気泳動のゲルは何かしらの方法で染色し、スポットを目視しながら一つ一つ手で回収していた。タンパク質同定に時間がかかっていた昔はそれでも十分対応できていた。アミノ酸シークエンサーを使ったタンパク質同定は時間がかかるので、実験の工程全体からするとスポットを切り取るステップは律速段階ではなかったからであり、また同方法は感度があまり高くないのでケラチンのコンタミがそれほど問題にならなかったからである。しかし、2D-DIGE法と質量分析を使い始めてからはスポット回収ロボットの必要を感じるようになった。
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