トラブルシューティング
実際のトラブル写真を掲載して解決策や改善のためのワンポイントをご紹介します。掲載されているトラブル例に見覚えのある症例があったら、ぜひ解決策をお試しください。
バンドが検出できない
シグナルが検出できない
ステップ | 原因 | 解決策 |
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サンプル調製・電気泳動 | 目的タンパク質の量が少ない | サンプル添加量を増やす ゲルやメンブレンを染色して目的タンパク質の量を確認し、検出に十分な量の目的タンパク質が含まれるようサンプル添加量を調整します。 |
抗原性の低下 | 抗体反応性の確認 SDS 還元処理などにより、サンプルの抗原性が低下していないかドットブロッ トで確認します。 |
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電気泳動でタンパク質が分離していない | 有色マーカーで泳動状態を確認する ECL DualVue™ Western Blotting Markers、Rainbow™ Molecular Weight Markersなどの有色マーカーを一緒に泳動することで転写状態も目視で確認できます。 |
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ブロッティング | 目的タンパク質がメンブレンに転写されていない | 有色マーカーで転写状態を確認する ECL DualVue™ Western Blotting Markers、Rainbow™ Molecular Weight Markersなどの有色マーカーを一緒に泳動することで転写状態も目視で確認できます。
転写がうまくいかないときのチェックポイント
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抗体反応 | 抗体濃度が低い/ 抗体の力価が低下している | 抗体濃度の至適化 検出に適した抗体濃度をドットブロット法で検討します。 |
抗体にアジ化ナトリウムが含まれている | アジ化ナトリウムはHRPの活性を阻害します。アジ化ナトリウムが入っていない抗体を用いるか、影響しないアジ化ナトリウム濃度まで抗体を希釈します。 | |
検出試薬との反応 | 検出試薬の劣化 | 検出試薬の活性確認 ブルーライトテストおよびHRP 標識二次抗体のドットブロットにより検出試薬の活性を確認します。 |
全体的に黒くて(バックグラウンドが高くて)バンドが検出されない
ステップ | 原因 | 解決策 |
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サンプル調製・電気泳動 | 装置や器具の汚れによるコンタミネーション | 手袋着用・器具の洗浄 操作中は手袋を着用し、器具はよく洗浄しておきます。 |
ブロッティング | 装置や器具、メンブレンの汚れによるコンタミネーション | 手袋着用・器具の洗浄 操作中は手袋を着用し、器具はよく洗浄しておきます。 |
新しい転写バッファーを使用 バッファー溶液が古くないか確認します。 |
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抗体反応 | 抗体濃度が高すぎる | 抗体濃度の検討 検出に適した抗体濃度をドットブロット法で検討します。( |
ブロッキングが不十分あるいはブロッキング剤が系にあっていない | ブロッキング条件の検討 ブロッキング剤、ブロッキング時間、濃度、温度を検討します。抗体希釈液にブロッキングバッファーを使います。 |
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バッファー洗浄が不十分 | 洗浄条件の検討 洗浄バッファーの量、洗浄回数を検討します。洗浄時間を延長する、バッファーのTween 20 の濃度を上げます。(上げすぎると目的タンパク質までメンブレンからはがれるので注意します。 |
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検出 | メンブレン上の余分な検出試薬 | 残存検出試薬の除去 メンブレン上の余分な検出試薬をしっかりと除いてください。 |
検出時間が長すぎる薬 | 露光時間を短くする 化学発光の場合は露光時間を短くします。 露光時間のワンポイント X 線フィルム検出で露光時間が5秒以下では露光時間のコントロールが困難なため、再現性が下がります。露光時間が1分位で検出したときにちょうど よい強度で検出されるようドットブロット法などで条件を至適化します。 |
バンドはあるが一部検出されない
ステップ | 原因 | 解決策 |
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ブロッティング | ゲルとメンブレンの間に気泡が入った | 気泡が入らないよう確認する ゲルにメンブレンを重ねる際、ゲルとメンブレンがしっかり密着しているか確認してください。気泡が混入している場合、ゲル・メンブレン表面上を洗浄・滅菌したピペットやガラス棒を転がして気泡を取り除きます。 |
バンドは検出できるが結果に不満がある
シグナルが弱い
ステップ | 原因 | 解決策 |
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サンプル調製・電気泳動 | 目的タンパク質の量が少ない | サンプル添加量を増やす ゲルやメンブレンを染色して目的タンパク質の量を確認し、検出に充分な量の目的タンパク質が含まれるようサンプル添加量を調整します。 |
抗原性の低下 | 抗体反応性の確認 SDS 還元処理などにより、サンプルの抗原性が低下していないかドットブロットで確認します。 |
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ブロッティング | 目的タンパク質の量が少ない | 有色マーカーで転写状態を確認する ECL DualVue™ Western Blotting Markers、Rainbow™ Molecular Weight Markersなどの有色マーカーを一緒に泳動することで転写状態も目視で確認できます。
転写効率が低いときのチェックポイント
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抗体反応 | 抗体濃度が低い/抗体の力価が低下している | 抗体濃度の至適化 検出に適した抗体濃度をドットブロット法で検討します。 |
抗体にアジ化ナトリウムが含まれている | アジ化ナトリウムはHRP の活性を阻害します。アジ化ナトリウムが入っていない抗体を用いるか、影響しないアジ化ナトリウム濃度まで抗体を希釈します。 | |
検出試薬との反応 | 検出試薬の劣化 | 検出試薬の活性確認 ブルーライトテストおよびHRP 標識二次抗体のドットブロットにより検出試薬の活性を確認します。 |
検出 | 検出時間が短すぎる | 露光時間を長くする 化学発光の場合は露光時間を長くします。 |
シグナルが強すぎる
ステップ | 原因 | 解決策 |
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サンプル調製・電気泳動 | 目的タンパク質の量が多すぎる | サンプル添加量を減らす ゲルやメンブレンを染色して目的タンパク質の量を確認し、検出に充分な量の目的タンパク質が含まれるようサンプル添加量を調整します。 |
抗体反応 | 抗体濃度が高すぎる | 抗体濃度の検討 検出に適した抗体濃度をドットブロット法で検討します。 |
検出 | 検出時間が長すぎる | 露光時間を短くする 化学発光の場合は露光時間を短くします。 露光時間のワンポイント X 線フィルム検出で露光時間が5 秒以下では露光時間のコントロールが困難なため、再現性が下がります。露光時間が1 分位で検出したときにちょうどよい強度で検出されるようドットブロット法などで条件を至適化します。 |
シグナルが白く抜けている
ステップ | 原因 | 解決策 |
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サンプル調製・電気泳動 | 目的タンパク質の量が多すぎる | サンプル添加量を減らす ゲルやメンブレンを染色して目的タンパク質の量を確認し、検出に充分な量の目的タンパク質が含まれるようサンプル添加量を調製します。 |
抗体反応 | 抗体濃度が高すぎる | 抗体濃度の検討 検出に適した抗体濃度をドットブロット法で検討します。 |
検出 | 検出前にルミノールが急速に消費されてしまっている | 検出し薬反応後すぐに検出する 検出試薬を反応させたメンブレンはできるだけ早く露光してください。 |
発光量が多すぎてフィルムのソラリゼーションが起こっている | 露光時間を短くする 化学発光の場合は露光時間を短くします。 露光時間のワンポイント X 線フィルム検出で露光時間が5 秒以下では露光時間のコントロールが困難なため、再現性が下がります。露光時間が1 分位で検出したときにちょうどよい強度で検出されるようドットブロット法などで条件を至適化します。 |
非特異のバンドが検出される
ステップ | 原因 | 解決策 |
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サンプル調製・電気泳動 | 目的タンパク質の量が多すぎる | サンプル添加量を減らす タンパク量が多いバンドは非特異的な反応が検出されやすくなるので添加量を減らします。 |
抗体反応 | ブロッキングが不十分あるいはブロッキング剤が系にあっていない | ブロッキング条件の検討 ブロッキング剤、ブロッキング時間、濃度、温度を検討します。 |
抗体濃度が高い | 抗体を希釈する 抗体の濃度が高いと非特異的な反応が検出されやすくなるため、抗体を希釈して濃度を下げます。 |
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抗体の特異性に問題がある | 特異性の高い抗体を使用する モノクローナル抗体を使用する、あるいは抗体を精製します。 |
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検出試薬との反応 | 内在性のペルオキシダーゼが検出試薬と反応している | 内在性ペルオキシダーゼ由来のバンドを不活性化する HRP 標識二次抗体を反応させずに検出試薬を反応させることで偽バンドを確認する。ヘムタンパク(血清中のヘモグロビンなど)は偽バンドとして検出されることがある。内在性ペルオキシダーゼが含まれているようであれば、H2O2 不活性化の処理を行います。 |
バンド以外に問題がある
不規則でまだらなしみが検出される
ステップ | 原因 | 解決策 |
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ブロッティング~抗体反応 | メンブレンに指紋やケラチンなど不純物が吸着している | 手袋やピンセットを使用する メンブレンには直接触れないよう、手袋を着用するか先の平らな(メンブレンを傷つけないようにするため)ピンセットを使用します。 |
ブロッティング | メンブレンの親水処理が不十分 | 新しいメンブレンを用いる 新しいメンブレンで親水化処理を行います。親水化が均一に行われていることを確認します。 |
メンブレンがバッファー上に浮かないよう確認する 親水化が不十分だとメンブレンが水面に浮いてしまい、バッファーに十分浸りません。先の平らなピンセットなどでメンブレンを沈めてバッファーに浸らせます。 |
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抗体反応 | 二次抗体が凝集している | 二次抗体をフィルターで濾過する 凝集した二次抗体がメンブレンに吸着すると、斑点状のシミとして検出されます。二次抗体をΦ0.2 μm フィルターでろ過するか、軽く遠心して上清を回収して凝集体を除きます。 |
検出 | 検出試薬の除去が不十分 | 余分な検出試薬を除去する メンブレン上の過剰な検出試薬を除いてから検出します。 |
バックグラウンドが高い
ステップ | 原因 | 解決策 |
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サンプル調製・電気泳動 | 装置や器具の汚れによるコンタミネーション | 手袋着用・器具の洗浄 操作中は手袋を着用し、器具はよく洗浄しておきます。 |
ブロッティング | 装置や器具、メンブレンの汚れによるコンタミネーション | 手袋着用・器具の洗浄 操作中は手袋を着用し、器具はよく洗浄しておきます。 |
新しい転写バッファーを使用 バッファー溶液が古くないか確認します。 |
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抗体反応 | 抗体濃度が高すぎる | 抗体濃度の検討 検出に適した抗体濃度をドットブロット法で検討します。 |
ブロッキングが不十分あるいはブロッキング剤が系にあっていない | ブロッキング条件の検討 ブロッキング剤、ブロッキング時間、濃度、温度を検討します。抗体希釈液にブロッキングバッファーを使います。 |
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バッファー洗浄が不十分 | 洗浄条件の検討 洗浄バッファーの量、洗浄回数を検討します。洗浄時間を延長します。バッファーのTween 20 の濃度を上げます(上げすぎると目的タンパク質までメンブレンからはがれるので注意します)。 |
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検出 | メンブレン上の余分な検出試薬 | 残存検出試薬の除去 メンブレン上の余分な検出試薬をしっかりと除きます。 |
検出時間が長すぎる | 露光時間を短くする 化学発光の場合は露光時間を短くします。 露光時間のワンポイント X 線フィルム検出で露光時間が5 秒以下では露光時間のコントロールが困難なため、再現性が下がります。露光時間が1 分位で検出したときにちょうどよい強度で検出されるようドットブロット法などで条件を至適化します。 |
その他の汚れや非特異的な検出
ステップ | 原因 | 解決策 |
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ブロッティング以降 | メンブレンの傷や汚れ | メンブレンの取扱いに注意する 取扱いの際は手袋や先の平らなピンセットを用いる、メンブレンの切断の際は汚れの無いよく切れるはさみを用います。 |
検出 | X 線フィルムの傷や汚れ | X 線フィルムの取扱いに注意する 手袋をもちいて丁寧に取扱います。ぬれた状態でべたべた触らないでください。 |
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