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IgGの精製プロセス
欧州薬局方の要件を大きく下回る抗補体活性(ACA)最終液剤

  1. はじめに
  2. クロマトグラフィー精製の利点
  3. 血漿供給
  4. 第VIII因子製剤
  5. アルブミン製剤
  6. IgG製剤
  7. 第VIII因子の精製プロセス
  8. アルブミンの精製プロセス
  9. IgGの精製プロセス(当ページです)
  10. 生物学的安全性
  11. 製造プラントのプランニングとエンジニアリング
  12. チェックリスト
  13. 参考文献
  14. 精製プロセスの概要

全体的な流れについては精製プロセスの概要を参照

まず、アルブミンプロセスと共通のDEAE Sepharose™ Fast Flowカラム工程の素通り画分を、さらにQ Sepharose™ Fast Flow(陰イオン交換体)、続いてCM Sepharose™ Fast Flow(陽イオン交換体)で精製した後、S/Dテクノロジーによるウイルス不活化処理を行います。

IgG製剤は高濃度で製剤化され無菌ろ過されています。今では以前必要だった凍結乾燥ステップが必要なく、最終製剤は5% IgG液剤です。

プロセスクロマトグラフィー

図15~18には上記に示し、精製プロセスの概要にまとめた4つのクロマトグラフィーステップでの溶出パターンを示しています。推定の担体寿命を以下に示します。

備考:最終CM Sepharose™ Fast Flow工程はウイルス不活化後の有機溶媒/界面活性剤除去ステップですが、図18のクロマトグラムは製造におけるウイルス不活化後の結果ではありません。

脱塩およびバッファー交換のデータ
図15. Sephadex™ G-25 Coarseによる脱塩およびバッファー交換

陰イオン交換クロマトグラフィーのデータ
図16. DEAE Sepharose™ Fast Flowによる陰イオン交換クロマトグラフィー

陰イオン交換クロマトグラフィーのデータ
図17. Q Sepharose™ Fast Flowによる陰イオン交換クロマトグラフィー

陽イオン交換クロマトグラフィー のデータ
図18. CM Sepharose™ Fast Flowによる陽イオン交換クロマトグラフィー

Medium Estimated lifetime (cycles/year)*
Sephadex™ G-25 Coarse** 4000
DEAE Sepharose™ Fast Flow** 300
Q Sepharose™ Fast Flow 600
CM Sepharose™ Fast Flow 600
CM Sepharose™ Fast Flow*** 600

* Or maximum 3 years.
** Common to the albumin process.
*** For removing solvents/detergents

結果および分析

図19および20にIgGのポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)および免疫電気泳動法の結果を示します。

図21には、ゲルろ過で分析した最終製剤の純度を示しています。図22では4種類の他の市販IgGとこの方法で製造したIgGと純度を比較しています。

PAGEの結果から、IgG調製品は99%を超える純度であり、凝集体は1%未満でした。タンパク質分解酵素活性(アルギニン特異性)は1.5 U/Lで、プレカリクレイン活性(PKA)は10 IU/mL未満です。一方、欧州薬局方におけるPKA活性の限界値は35 IU/mLです。

抗捕体活性(ACA)が高かった以前の方法と比較して、この方法ではACAレベルが欧州薬局方の規定上限を大きく下回ります。3つの独立した試験場から得たACAデータおよび他のIgG分析結果を表8に示します。

PAGE写真
図19. IgG画分のPAGE(図16~18のクロマトグラフィーパターン参照)
1. DEAE Sepharose™ Fast Flow工程前
2. DEAE Sephcrase Fast Flow工程で得たIgG画分
3. 1回目のCM Sepharose™ Fast Flow工程で得たIgG画分
4. 最終製剤
5. Q Sepharose™ Fast Flow工程での廃液画分
PhastGel™ Gradient 8~25 gelを用いてPhastSystem™で泳動

アガロース免疫電気泳動写真
図20. この方法で製造したIgGのアガロース免疫電気泳動

純度分析チャート
図21. Superdex™ 200ゲルろ過で分析した最終IgG画分の純度

PAGE写真
図22.PAGEによるIgG製剤純度の比較
1-4.市販IgG製剤
5. この方法で製造したIgG製剤市販IgGのうち2製品には安定化剤としてアルブミンが添加されている。

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