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Location:Home実験手法別製品・技術情報2D DIGE(蛍光標識二次元発現差異解析)

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カロリ鈴木の技解説

【袖釣り込み腰(そでつりこみごし)】
柔道の投げ技の腰技16本の一つです。最近の全国高校総体における記録によると、この技で一本勝ちを収めた割合は2.5%*と、比較的レアな技です。見た目が美しく、技の名士が良く使用していることから名人技と言われることも多い技です。

技自体は、非常にユニークで、通常の腰技とは異なり、体の回転方向が逆になります。それに加え、同時に引き手で相手の右手を吊り上げた格好(バンザイの姿勢)とし無力化を図り、後は通常の腰技と同様に腰とひざで担ぎ上げます。背負い投げを得意とする技師などが最後の奥の手として有している場合が多く、格闘家へ転進した瀧本誠選手、アテネ五輪81 kg級代表の塘内選手らが技の名手として有名です(共に美しい技を持つ柔道家です)。

1888年に嘉納治五郎師範が伝道を始め、1964年の東京オリンピックで正式種目となり、世界へと普及した柔道。 現在、日本の柔道人口が20万人に対しフランスの柔道人口は58万人となりました(国の人口では日本の約半分しかありません)。このように、柔道はJUDOへ、すなわち、日本古来の武道から世界のスポーツへと変換してきました。近年の国際大会を観戦すると技の匠を競うのではなく、単なるパワー勝負のように見受けられることがあります。技を極め、名人芸まで昇華する意識が薄れてきている感が否めません。

そのような状況でも、「柔よく剛を制す」の精神で技を磨き、頑張れ日本柔道!頑張れ、日本のバイオ研究! 近藤は、二次元電気泳動法の名人芸であるという風潮の真偽を、袖釣り込み腰を用いて表現しています。

マニュアルは一見にしかず?

この場を借りて、少しだけ連載の裏話をしたい。 このところ掲載写真枚数が増えていることにお気づきだろうか。これらは、近藤先生が毎回連載テーマに合わせ実験操作を再現し、撮影いただいているものである。普通のマニュアルであれば触れられない、あるいは行間に埋もれているコツのようなものを共有するための視覚化である。

つまり写真による解説が多い操作工程こそ2D-DIGEのフローで重要なポイントと言えるのではないか。写真で紹介している操作の中には、近藤先生もおっしゃっている通り、何も難しかったり特別だったりするような操作ではないと考えがちな場面もある。ただ、そのような部分を丁寧にコントロールすることこそ、再現性を高めるための近道なのだろう。この重要性を伝えることこそが、DIGE道場の本来の目的である。

実験書、プロトコールは本来こうあるべきなのだろう。メーカーの担当者として自戒を込めて。

DIGE 道場 第7回
IPGゲルの平衡化から二次元目への添加まで

第7回 もくじ

  1. はじめに (本ページ)
  2. IPGゲルの室温化
  3. 平衡化のポイント -温度以外-
  4. アガロースの重層
  5. IPGゲルの添加
  6. 最後に

Dr. 近藤のコラム
→コラム第7回 「名人芸お断り」

1. はじめに

今月は一次元目のゲルを平衡化し二次元目のゲルへ添加するところの解説をする。平衡化のポイントは第2回「こんなにすばらしい!2D-DIGE法」、二次元目のゲルの作成は第5回「実は簡単!グラジエントSDS-PAGEゲルの作製」第6回「ゲルボックスを使ったSDS-PAGEゲルの作製」で紹介したとおりである。操作として特に難しいところはないのだが、手順をよくイメージできるように各ステップを写真で紹介する。


次へ IPGゲルの室温化

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