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Location:Home実験手法別製品・技術情報BIA(生物物理学的相互作用解析) > 相互作用解析の王道

Presented by Dr. Kouhei Tsumoto
東京大学大学院
医科学研究所
津本 浩平 先生

概論:タンパク質/バイオ医薬品の品質評価における、SPR/カロリメトリーの有用性

目次

  1. はじめに(当ページです)
  2. タンパク質の構造安定性
  3. タンパク質の濃度と活性
  4. まとめ

はじめに

先月、バルセロナで開催されたDiPIA(Development in Protein Interaction Analysis 2010)に参加して参りました。DiPIAはSPRとカロリメトリーの両技術を使った分子間相互作用の研究を行う研究者が世界から集まり発表・議論が行われる場所です。 今年の会場では、フラグメントスクリーニングなどのホットな話題に加えて、欧米の研究者が口にしていたのが、バイオ医薬品産業/ワクチンの開発に関する話題です。FDAなどの許認可当局にSPRやカロリーメータレベルのクオリティのデータの提示が求められ始めているということでした。

そこで、少し今までのお話とは方向性の違うお話となりますが、今回の王道ではバイオ医薬品の品質試験などで相互作用解析技術がどのように応用されているかお話してみたいと思います。

ここでいう、タンパク質の“品質“とは実験に使用するタンパク質や、急速に開発の進んでいるバイオ医薬品タンパク質の構造安定性、活性、濃度、純度などを指します。現状使用している、もしくは製造しているタンパク質のこれらの”品質“を良く理解することは、基礎研究においては、研究結果を間違って解釈することを防ぎ、またタンパク質医薬品の開発においては、均一性、安全性、コストなどに対して非常に大きなインパクトを与えます。これまで主流であった低分子医薬品と比較して、構造が複雑で、pHや熱、濃度の影響を受けて変性や会合凝集体を形成しやすいタンパク質医薬品は、より細かい品質評価が求められます。

今回は、タンパク質の品質評価に焦点をあててお話します。

次へ(タンパク質の構造安定性)


相互作用解析の王道」について

相互作用解析の王道」は、2009年8月よりバイオダイレクトメールでお届けしています。

連載記事一覧
タイトル 配信
ご挨拶 連載「相互作用解析の王道」を始めるにあたって 2009年8月
第1回 原理:其は王道を歩む基礎体力 2009年10月
第2回 実践編その1:抗シガトキシン抗体の相互作用解析例 2009年12月
第3回 対談:アフィニティーを測定する際の濃度測定はどうする? 2010年2月
第4回 実践編-2:相互作用解析手法を用いた低分子スクリーニング その1 2010年4月
第5回 実践編-3:核酸-タンパク質相互作用の熱力学的解析 2010年8月
第6回 概論:タンパク質/バイオ医薬品の品質評価における、SPR/カロリメトリーの有用性 2010年11月
第7回 抗体医薬開発の技術革新~物理化学、計算科学との融合~ 2011年5月
第8回 対談:バイオ医薬品の品質管理技術の発展性~相互作用の観点から~ 2011年8月
第9回 対談:バイオ医薬品の品質管理技術の発展性~タンパク質の構造安定性の観点から~ 2011年9月
第10回 実践編-4:フラグメントライブラリーの測定におけるSPR/ITC戦略の実効性と効率的活用法(1) 2011年10月
第11回 実践編-4:フラグメントライブラリーの測定におけるSPR/ITC戦略の実効性と効率的活用法(2) 2011年12月
参考 用語集  
〈応用編〉連載記事一覧
タイトル 配信
第1回 抗体医薬リードのカイネティクス評価手法の実例 2012年5月
第2回 細胞表面受容体の弱く速い認識を解析する 2012年7月
第3回 SPRを用いた分子間相互作用測定における、“低”固定化量の重要性 2012年8月
第4回 DSC(示差走査熱量計)によるタンパク質の熱安定性評価(1) 2012年9月
第5回 DSC(示差走査熱量計)によるタンパク質の熱安定性評価(2) 2012年10月
第6回 「ファージライブラリによるペプチドリガンドのデザインにおける相互作用解析」 2012年11月
第7回 SPRとITCの競合法を用いたフラグメント化合物のスクリーニングとキャラクタリゼーション 2012年12月
第8回 DSC(示差走査熱量計)によるタンパク質の熱安定性評価(3) 2013年2月
第9回 熱分析とタンパク質立体構造に基づくリガンド認識機構の解析 2013年3月
〈最終回〉
最終回 連載「相互作用解析の王道」を終えるにあたって ~3年間を振り返って、そしてこれから~ 2013年4月

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関連リンク

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東京大学 医科学研究所 疾患プロテオミクスラボラトリー


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