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Location:Home実験手法別製品・技術情報BIA(生物物理学的相互作用解析) > 相互作用解析の王道

Presented by Dr. Kouhei Tsumoto
東京大学大学院
医科学研究所
津本 浩平 先生

原理:其は王道を歩む基礎体力(1)

目次

  1. 相互解析作用序論(当ページです)
  2. 表面プラズモン共鳴を用いた速度論的解析
    1. 測定原理
    2. 結合の反応速度と平衡状態
    3. フローシステムを採用したSPR測定における速度論の取扱い
    4. van't Hoffエンタルピー(ファントホッフエンタルピー)
    5. 実験上のポイント
  3. 等温滴定型熱量測定
    1. 測定原理
    2. 実験上のポイント
  4. 最後に

1. 相互作用解析序論

みなさんこんにちは。今回は、表面プラズモン共鳴法(Surface Plasmon Resonance法:SPR法)と等温滴定型熱量測定法(Isothermal Titration Calorimeter法:ITC法)という、最近20年間でもっとも進化した測定法がどのような原理で相互作用解析に用いられているかを、「やさしく」解説したいと思います。たくさんの数式が出てきますので、「これはまいった」と思われる読者の方も多いと思いますが、ほとんどは誰もが大学教養課程で学ぶレベルです。また、これらの前提をしっかりご理解頂くことで、次回以降に解説予定のいろいろな測定について、特に個々の手法の得意な点、苦手な点がより身近なものになると思います。

ここで述べる相互作用解析は、基本的に二分子の結合、解離です。二分子が出会ったときに見られる、何らかの変化量を観察するわけです。表面プラズモン共鳴ですと質量変化、熱量測定ですと熱量変化を観察します。今回は述べませんが、例えば蛍光色素でラベルした分子を用いれば、その色素の溶液中での振る舞い(運動性、最大蛍光波長、強度など)を観察することで、簡単な仮定から同様に結合・解離定数を求めることが可能です。主な比較は次回以降に解説しますが、Cytivaが最近出されたカタログの中に、大変分かりやすい比較表がありますので、そちらもご参照ください。それでは始めます。

次へ(表面プラズモン共鳴を用いた速度論的解析 - 測定原理)



相互作用解析の王道」について

相互作用解析の王道」は、2009年8月よりバイオダイレクトメールでお届けしています。

連載記事一覧
タイトル 配信
ご挨拶 連載「相互作用解析の王道」を始めるにあたって 2009年8月
第1回 原理:其は王道を歩む基礎体力 2009年10月
第2回 実践編その1:抗シガトキシン抗体の相互作用解析例 2009年12月
第3回 対談:アフィニティーを測定する際の濃度測定はどうする? 2010年2月
第4回 実践編-2:相互作用解析手法を用いた低分子スクリーニング その1 2010年4月
第5回 実践編-3:核酸-タンパク質相互作用の熱力学的解析 2010年8月
第6回 概論:タンパク質/バイオ医薬品の品質評価における、SPR/カロリメトリーの有用性 2010年11月
第7回 抗体医薬開発の技術革新~物理化学、計算科学との融合~ 2011年5月
第8回 対談:バイオ医薬品の品質管理技術の発展性~相互作用の観点から~ 2011年8月
第9回 対談:バイオ医薬品の品質管理技術の発展性~タンパク質の構造安定性の観点から~ 2011年9月
第10回 実践編-4:フラグメントライブラリーの測定におけるSPR/ITC戦略の実効性と効率的活用法(1) 2011年10月
第11回 実践編-4:フラグメントライブラリーの測定におけるSPR/ITC戦略の実効性と効率的活用法(2) 2011年12月
参考 用語集  
〈応用編〉連載記事一覧
タイトル 配信
第1回 抗体医薬リードのカイネティクス評価手法の実例 2012年5月
第2回 細胞表面受容体の弱く速い認識を解析する 2012年7月
第3回 SPRを用いた分子間相互作用測定における、“低”固定化量の重要性 2012年8月
第4回 DSC(示差走査熱量計)によるタンパク質の熱安定性評価(1) 2012年9月
第5回 DSC(示差走査熱量計)によるタンパク質の熱安定性評価(2) 2012年10月
第6回 「ファージライブラリによるペプチドリガンドのデザインにおける相互作用解析」 2012年11月
第7回 SPRとITCの競合法を用いたフラグメント化合物のスクリーニングとキャラクタリゼーション 2012年12月
第8回 DSC(示差走査熱量計)によるタンパク質の熱安定性評価(3) 2013年2月
第9回 熱分析とタンパク質立体構造に基づくリガンド認識機構の解析 2013年3月
〈最終回〉
最終回 連載「相互作用解析の王道」を終えるにあたって ~3年間を振り返って、そしてこれから~ 2013年4月

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関連リンク

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東京大学 医科学研究所 疾患プロテオミクスラボラトリー


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