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原理:其は王道を歩む基礎体力(2)目次 2. 表面プラズモン共鳴分析法を用いた速度論的解析2-1. 測定原理表面プラズモン共鳴分析法とは、表面プラズモン共鳴(SPR)を利用して分子の相互作用をセンサーチップ上に再現することで、一切の標識を使わずにリアルタイムで結合の強さ、速さ、選択性を測定して結合速度定数、解離速度定数を算出する手法です。 分子間相互作用の反応場となるセンサーチップは、ガラスに金の薄膜が蒸着させてあり、例えば、もっとも汎用されるカルボキシメチルデキストランチップの場合は、その薄膜上にリンカー層を介してデキストランが結合しています。相互作用を測定する分子の片方をデキストラン上に固定化し、他方の分子を含む試料溶液はマイクロ流路系を介した連続送液方式によりある一定時間添加し続けます。検出系の模式図をFig. 1に示してあります。
二分子間の相互作用は、特定の角度の入射光と表面プラズモンが金属/液体界面で起こす共鳴現象を利用し、二分子間の結合と解離に伴ってセンサーチップ表面で生じる微量な質量変化をSPRシグナルとして検出します。分子の固定化されていない側の金薄膜に光を全反射するように当てると、反射光の一部に反射光強度が低下した部分が観察されます。これがSPRシグナルといわれるものです。この光の暗い部分の現れる角度は、センサーチップ表面近傍の屈折率に依存します。また、屈折率変化は質量(密度)変化に比例します。センサーチップ表面で二分子間の結合反応が起きると質量変化が生じ、光の暗い部分がIからIIにシフトします(蛋白質の場合1 mm2あたり1 ngの物質が結合するとI→IIに0.1度シフトします)。逆に、二分子が解離することによって質量が減少すると、II→Iにその分だけ戻ります。測定に際しては、溶液組成の違いに由来するバルク効果あるいは非特異的吸着の影響を除去するために、測定分子を固定化した流路の他に基準物質となる分子を固定化した流路を用意し、シグナルを差し引いたものを測定値とします。 Fig. 2に測定によって得られるセンサーグラムを示してあります。
一般に、固定化した分子をリガンド、試料として流路に流す分子をアナライトと呼びます。ある一定時間一定速度の連続したアナライトの添加により、リガンドが結合した流路にはアナライトの結合が見られ、コントロールの流路にはバルク効果がしばしば現れます。これが結合相であり、ここから二分子間の結合速度定数kass (1/Ms)を求めることができます。アナライトの添加が終わると、流路には緩衝液のみが流れリガンドに結合したアナライトの解離をモニターする解離相に移ります。ここから、二分子間の解離速度定数kdiss (1/s)を求めることができます。モニター終了後、二分子間の結合を解くような溶液条件の再生溶液を添加し、アナライトを完全に解離させ初期状態に戻します。 次へ(表面プラズモン共鳴を用いた速度論的解析 - 結合の反応速度と平衡状態) 「相互作用解析の王道」について「相互作用解析の王道」は、2009年8月よりバイオダイレクトメールでお届けしています。
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