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実践編-2:相互作用解析手法を用いた低分子スクリーニング その1(2)目次
2. 低分子スクリーニングと熱量測定:序論近年、低分子創薬、特に標的タンパク質の立体構造に基づいた薬物分子のデザインStructure-Based Drug Design (SBDD)やFragment-Based Drug Discovery (FBDD)において、相互作用における熱力学情報の重要性が再認識されつつあります。 低分子は、標的となるタンパク質の結合部位に存在する空間的に小さなポケットを精密に探索することができる優れた薬剤候補です。しかしながら、一般的に、低分子化合物と標的タンパク質との結合親和性は非常に弱く、通常の薬理学的スクリーニングでは正確に検出することができません。そのため、生物物理学的な観測手段が必要であり、特に物質同士の結合に伴う熱力学的な影響を観測することで特異的な相互作用を見つけ出す必要性があります。ITC測定を用いることで、一見弱い結合活性であっても、効率良く相互作用している小さな分子を見つけ出すことができるものと期待されます。また、リード化合物からの分子の最適化の過程においても、標的タンパク質と化合物の形状相補性の獲得、化合物の自由度や疎水性の改変等にタンパク質-低分子間相互作用の熱力学量に基づいた合理的な設計が有効であることが示されています。 前々回に述べたように、抗ciguatoxin抗体10C9は、可変領域におよそ400 A2の低分子を覆うことができる大きな抗原結合ポケットを有していました(図1)。また、抗原との相互作用ではエンタルピー有利な反応を示していましたし、特異的な相互作用が形成される際には発熱反応が起こることもわかりました。したがって、創薬ターゲットスクリーニングにおける熱力学の役割を考察する場として非常に有用であると考えられます。
そこで、今回は、この10C9に対して、発熱を伴って結合することが可能な化合物を低分子ライブラリーの中からITC測定を用いて選別し、結合に必要な化合物の構造的特徴について考察を行うことで、10C9IgGの抗原特異性の起源を探ることを試みた研究例を紹介します。 「相互作用解析の王道」について「相互作用解析の王道」は、2009年8月よりバイオダイレクトメールでお届けしています。
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