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実践編-2:相互作用解析手法を用いた低分子スクリーニング その1(4)目次
4. ITC測定による特異的相互作用を形成する化合物の同定抗体の滴下に伴って発熱反応が確認できた化合物の構造を図2に示します。
これら3種の化合物については、いずれも抗体の滴下によって数kcal/molの発熱反応を確認することができました。得られた滴定プロファイルを図3に示します。
これから最小二乗法を用いて結合定数を求めたところ、いずれも105 M-1程度と10C9との明確な結合を確認することができました。化学量論比については抗体:低分子が0.2~0.3:1と算出され、10C9の1分子に対して低分子が複数結合していることが計算上で示唆されたものの、これについては親和性および測定濃度を考慮すると信頼性は低いと思われます。しかし、滴定によって明確な発熱反応が確認できたことから、10C9 IgGはこれらの低分子に対して非共有結合を形成し特異的に結合していると考えられます。この3種の化合物では、抗体滴定終了時においても平均して0.02 µcal/sec程度の発熱が認められましたが、これは滴下する抗体溶液とそれを受ける側の低分子溶液の調製に伴うDMSOのわずかな組成比の差や抗体自身の希釈熱が観察されたものと推察されます。 一方、図4には10C9との間でエンタルピー変化が確認できなかった化合物の構造を示します。
図4に示した化合物は、いずれも10C9の滴定開始から滴定終了時まで一定の発熱が観察されました。典型的なプロファイルを図5に示しました。
その発熱量は化合物によって異なり、-5 kcal/mol程度 から-40 kcal/mol程度のものまで確認できています。これは化合物と10C9との相互作用による発熱を観測できているという可能性も否定できませんが、上述の通り滴下する側とされる側の試料溶媒中に含まれるDMSOの組成比の差をはじめとした種々の希釈熱が反映されている可能性が高いといえます。 「相互作用解析の王道」について「相互作用解析の王道」は、2009年8月よりバイオダイレクトメールでお届けしています。
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